宅建過去問:ここでは「宅建業法」の頻出過去問、重要過去問を見ていきます。まずは「宅地建物取引業の定義」です。とても簡単なので、宅建業法の過去問ってこういう感じか、と掴んでみてください。前提知識は「かんたん宅建業法」のページをご覧ください。尚、宅地建物取引と打つのは疲れるので、宅地建物取引業法=宅建業法、宅地建物取引士=宅建士など、原則としてタイトル以外は簡略化させていただきます。
- 宅地建物取引業の定義の宅建過去問
■次のうち、宅建業法第2条第1号に規定する宅地に当たらないものはどれか。(1986年の過去問 問-35)
【問】登記記録上の地目は山林であるが、別荘の敷地に供する目的で取引される土地
宅地にあたるかどうかは、登記に関係なく現況が基準となります。よって、たとえ地目が山林であっても、別荘の敷地として取引される土地であれば、建物を建てる目的で取引する土地として宅地にあたります。
【問】登記記録上の地目は原野であるが、倉庫の敷地に供する目的で取引される土地
上記と同様、登記簿の記載とは関係なく宅地となります。「建物」は住宅に限らず、別荘や倉庫、マンションの一室なども含まれます。
■宅建業の免許に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(1997年の過去問 問-31)
【問】Aが、土地区画整理事業により換地として取得した宅地を10区画に区画割りして、不特定多数の者に対して売却する場合、Aは、宅建免許を必要としない。
宅地を不特定多数の者に売却する行為は宅建業にあたります。よって誤りです。
【問】Bが、借金の返済に充てるため自己所有の宅地を10区画に区画割りして、多数のBの知人又は友人に対して売却する場合、Bは、宅建免許を必要とする。
友人または知人とあるが、それだけでは特定の者との取引とはいえません。よって宅建業にあたり宅建免許が必要となります。正しい肢です。
【問】Cが、甲県の所有する宅地の売却の代理を甲県から依頼され、当該宅地を10区画に区画割りして、多数の公益法人に対して売却する場合、Cは、宅建免許を必要としない。
国および地方公共団体には宅建業法が適用されませんが、それらから依頼を受けた代理人にまで宅建免許を不要とする規定はありません。また、公益法人に対する売却というだけでは、特定の者との取引ともいえません。よって誤りとなります。
【問】Dが、1棟のマンション(10戸)を競売により取得し、自ら借主を募集し、多数の学生に対して賃貸する場合、Dは、免許を必要とする。
自己が所有するマンションを「自ら」貸借する行為は取引にはあたりません。よって宅建業にはあたらず、免許は不要です。誤りの肢となります。
■宅建業の免許に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(1988年の過去問 問-35)
【問】Aが、その所有する原野を宅地予定地として区画割りした後、宅建業者Bに代理権を授与して、その土地の売却を一括して依頼し、BがAの代理人として不特定多数の者に反復継続して、売却する場合、Aは、宅建業の免許を必要とする。
本肢の原野は宅地にあたりますね。また、AがBに代理を依頼して不特定多数の者に反復継続して宅地を売却する行為は宅建業にあたります。よってAは宅建免許が必要です。
【問】E社が従業員の福利厚生事業の一環として自社の工場跡地を区画割りし、宅地としてその従業員のみを対象に反覆継続して売却する場合、E社は、宅建業の免許を必要とする。
従業員のみへの売却は、特定の者への取引といえます。よって宅建業にはあたらず、宅建免許は不要です。誤りの肢となります。
■宅建業の免許に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(1993年の過去問 問-35)
【問】Cが都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域において山林を山林として反復継続して売却する場合、Cは宅建業の免許を要しないが、Dが原野を10区画に区画割して宅地として分譲する場合、Dは宅建業の免許を要する。
本肢の山林は宅地にあたらず、Cは宅建免許を必要としません。一方、宅地を分譲しているDは宅建免許が必要です。よって正しい肢です。
【問】Hが競売物件である宅地を自己用として購入する場合、Hは宅建業の免許を要しないが、I が営利を目的として競売物件である宅地を購入し、宅建業者を介して反復継続して売却する場合、I は宅建業の免許を要する。
単に自己用に購入しているHは宅建免許不要、宅地を反復継続して売却している I は宅建免許が必要です。よって正しい肢です。
■宅建業の免許に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(1999年の過去問 問-30)
【問】Bが、用途地域内の自己所有の農地について、道路を設けて区画割をし、その売却を業として行おうとする場合、Bは宅建免許を受ける必要はない。
用途地域内の農地は宅建業法上の宅地に該当します。よって、その売却を業として行うには宅建免許が必要で、誤りの肢となります。
■次の記述のうち、宅建業法の免許を受ける必要のないものはどれか。(2001年の過去問 問-30)
【問】地主Bが、都市計画法の用途地域内の所有地を、駐車場用地2区画、資材置場1区画、園芸用地3区画に分割したうえで、これらを別々に売却する場合
用途地域内の土地は、一定の場合(公園など)を除いて宅地に該当します。よって本肢は宅建業に該当し、Bは宅建免許を必要とします。
【問】農家Dが、その所有する農地を宅地に転用し、全体を25区画に造成した後、宅建業者Eに販売代理を依頼して分譲する場合
自己の所有する宅地を造成した後に分譲することは、宅建業者に販売代理を依頼したとしても宅建業に該当します。よってDは宅建免許を必要とします。
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