とても役立つ年度別の解説付き宅建士試験問題です。宅地建物取引業法=宅建業法などスッキリ略し、解説も要点だけに絞っています。要点を一気にチェックしながら平成28年(2016年)通し問題を見ていきましょう。
- 平成28年(2016年)宅建士試験問題と解説
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- 平成28年(2016年)宅建士試験問題
- 1.権利関係の問題 問1~14
2.宅建業法の問題 問26~45
3.法令制限の問題 問15~22
4.税その他の問題 問23~25
5.税その他の問題 問46~50
【宅建士過去問 平成28年-問1】次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。
1.利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年3%とする旨
2.賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づく金銭債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる旨
3.免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる旨
4.契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する旨
⇒正解(4)
1:出題時は3%ではなく5%でした(2020年4月より3%を基準に変動するようになりました)。
3:改正民法によりこの文章がそのまま条文化されています。債権者と引受人となる者との契約による他、債務者と引受人となる者とが契約し、債権者が引受人となる者に対して承諾することでも成立します(前年出題の併存的債務引受も参照)。
【宅建士過去問 平成28年-問2】制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1.古着の仕入販売に関する営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、法定代理人の同意を得ないで、自己が居住するために建物を第三者から購入したとしても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。
2.被保佐人が、不動産を売却する場合には、保佐人の同意が必要であるが、贈与の申し出を拒絶する場合には、保佐人の同意は不要である。
3.成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する際、後見監督人がいる場合には、後見監督人の許可があれば足り、家庭裁判所の許可は不要である。
4.被補助人が、補助人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせていたときは、被補助人は当該行為を取り消すことができない。
⇒正解(4)
1:営業を許された未成年者が成年者と同一の行為能力を有するのは、その許可された営業についてのみです。
2:不動産の売却はもちろん、贈与の申出を拒絶することも、保佐人の同意が必要な重要行為に含まれます。
3:成年後見人が、成年被後見人の居住する建物や敷地について、売却、賃貸、抵当権の設定等の行為を行うには家庭裁判所の許可が必要です。
4:制限行為能力者が、詐術を用いて行為能力者と信じさせたときは、当該行為を取り消すことができなくなります。
【宅建士過去問 平成28年-問3】AがA所有の甲土地をBに売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1.Aが甲土地をBに売却する前にCにも売却していた場合、Cは所有権移転登記を備えていなくても、Bに対して甲土地の所有権を主張することができる。
2.AがBの詐欺を理由に甲土地の売却の意思表示を取り消しても、取消しより前にBが甲土地をDに売却し、Dが所有権移転登記を備えた場合には、DがBの詐欺の事実を知っていたか否かにかかわらず、AはDに対して甲土地の所有権を主張することができない。
3.Aから甲土地を購入したBは、所有権移転登記を備えていなかった。Eがこれに乗じてBに高値で売りつけて利益を得る目的でAから甲土地を購入し所有権移転登記を備えた場合、EはBに対して甲土地の所有権を主張することができない。
4.AB間の売買契約が、Bの意思表示の動機に錯誤があって締結されたものである場合、Bが所有権移転登記を備えていても、AはBの錯誤を理由にAB間の売買契約を取り消すことができる。
⇒正解(3)
1:譲渡の先後は関係なく、登記の有無で保護されるか決します。
2:Dは詐欺による取消前の第三者にあたり、善意無過失のDにAは対抗できませんが、Dが悪意の場合は対抗することができます。
3:背信的悪意者には、登記がなくても対抗することができます。
4:錯誤取消を主張できるのは、表意者B、その代理人または承継人です。
【宅建士過去問 平成28年-問4】Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1.Aが甲土地に抵当権を設定した当時、甲土地上にA所有の建物があり、当該建物をAがCに売却した後、Bの抵当権が実行されてDが甲土地を競落した場合、DはCに対して、甲土地の明渡しを求めることはできない。
2.甲土地上の建物が火災によって焼失してしまったが、当該建物に火災保険が付されていた場合、Bは、甲土地の抵当権に基づき、この火災保険契約に基づく損害保険金を請求することができる。
3.AがEから500万円を借り入れ、これを担保するために甲土地にEを抵当権者とする第2順位の抵当権を設定した場合、BとEが抵当権の順位を変更することに合意すれば、Aの同意がなくても、甲土地の抵当権の順位を変更することができる。
4.Bの抵当権設定後、Aが第三者であるFに甲土地を売却した場合、FはBに対して、民法第383条所定の書面を送付して抵当権の消滅を請求することができる。
⇒正解(2)
1:抵当権設定後に建物が第三者に譲渡されても、法定地上権が発生します。
2:建物に抵当権を設定していて焼失したのであれば、火災保険金に物上代位をすることができますが、土地に抵当権を設定しているので建物の焼失は無関係です。
3:抵当権の順位変更には利害関係人(転抵当権者など)の承諾が必要ですが、債務者や抵当権設定者は利害関係人に該当しません。
4:抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をすることができます。
【宅建士過去問 平成28年-問5】Aが、Bに対する債権をCに譲渡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1.AのBに対する債権に譲渡禁止の特約があり、Cがその特約の存在を知りながら債権の譲渡を受けていれば、Cからさらに債権の譲渡を受けた転得者Dがその特約の存在を知らなかったことにつき重大な過失がない場合でも、BはDに対して特約の存在を対抗することができる。
2.AがBに債権譲渡の通知を発送し、その通知がBに到達していなかった場合には、Bが異議をとどめない承諾をしても、BはCに対して当該債権に係る債務の弁済を拒否することができる。
3.AのBに対する債権に譲渡禁止の特約がなく、Cに譲渡された時点ではまだ発生していない将来の取引に関する債権であった場合、その取引の種類、金額、期間などにより当該債権が特定されていたときは、特段の事情がない限り、AからCへの債権譲渡は有効である。
4.Aに対し弁済期が到来した貸金債権を有していたBは、Aから債権譲渡の通知を受けるまでに、異議をとどめない承諾をせず、相殺の意思表示をしていなかった。その後、Bは、Cから支払請求を受けた際に、Aに対する貸金債権との相殺の意思表示をしたとしても、Cに対抗することはできない。
⇒正解(3) 細かい肢が並んでいますが、正解肢は納得ですね。
1:譲渡禁止特約は、悪意の第三者に対抗することができますが、善意で無重過失の第三者に対抗することはできません。
2:譲渡人から債務者への通知または債務者の承諾があれば、債権の譲受人は債務者に債権譲渡を対抗することができます。
3:将来の債権でも、特定されていれば債権譲渡の対象とすることができます。
4:債権譲渡時に弁済期の到来した反対債権を有していたのならば、相殺をもって対抗することができます。改正民法により、打ち消し線の部分は気にする必要がなくなりました。
【宅建士過去問 平成28年-問6】Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結された場合の売主の担保責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1.Bが、甲土地がCの所有物であることを知りながら本件契約を締結した場合、Aが甲土地の所有権を取得してBに移転することができないときは、BはAに対して、損害賠償を請求することができない。
2.Bが、甲土地がCの所有物であることを知りながら本件契約を締結した場合、Aが甲土地の所有権を取得してBに移転することができないときは、Bは、本件契約を解除することができる。
3.Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら本件契約を締結した場合、当該抵当権の実行によってBが甲土地の所有権を失い損害を受けたとしても、BはAに対して、損害賠償を請求することができない。
4.Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら本件契約を締結した場合、当該抵当権の実行によってBが甲土地の所有権を失ったときは、Bは、本件契約を解除することができる。
⇒正解(3) 売主の担保責任は、改正民法により債務不履行責任として統一されました。
12:他人物売買において、善意でも悪意でも契約解除、善意のときは損害賠償請求をすることができます。引き渡された目的物が他人物であった場合、債務不履行として、履行追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約の解除をすることができます。
34:抵当権や先取特権の実行により、買主が所有権を失い損害を受けたときは、善意でも悪意でも契約解除と損害賠償請求をすることができます。売買の目的物について権利を主張する者がいて買い受けた権利の全部または一部を失うおそれがある場合、買主は、その危険の限度に応じて代金の支払いを拒むことができます。抵当権等の登記がある場合、抵当権消滅請求の手続きが終わるまで代金の支払いを拒むことができます。Aに債務不履行があれば、Bは善意悪意にかかわらず損害賠償請求や契約解除も可能です。
【宅建士過去問 平成28年-問7】AがBから賃借する甲建物に、運送会社Cに雇用されているDが居眠り運転するトラックが突っ込んで甲建物の一部が損壊した場合(以下「本件事故」という。)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。なお、DはCの業務として運転をしていたものとする。
ア AはBに対し、甲建物の滅失した部分の割合に応じ、賃料の減額を請求することができる。
イ Aは、甲建物の残りの部分だけでは賃借した目的を達することができない場合、Bとの賃貸借契約を解除することができる。
ウ Cは、使用者責任に基づき、Bに対して本件事故から生じた損害を賠償した場合、Dに対して求償することができるが、その範囲が信義則上相当と認められる限度に制限される場合がある。
⇒正解(3) 全て正しい肢。初見だとしても全て正しそうですね。
アイ:賃借人の過失によらず賃借物の一部が滅失した場合、滅失した部分の割合に応じて賃料減額請求、または残存する部分だけでは目的を達成できないときは契約解除をすることができます。
ウ:被害者に損害賠償をした使用者は、信義則上認められる範囲で被用者に求償することができます。
【宅建士過去問 平成28年-問8】AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し、BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸している場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1.Aは、Bの賃料の不払いを理由に甲建物の賃貸借契約を解除するには、Cに対して、賃料支払の催告をして甲建物の賃料を支払う機会を与えなければならない。
2.BがAに対して甲建物の賃料を支払期日になっても支払わない場合、AはCに対して、賃料10万円をAに直接支払うよう請求することができる。
3.AがBの債務不履行を理由に甲建物の賃貸借契約を解除した場合、CのBに対する賃料の不払いがなくても、AはCに対して、甲建物の明渡しを求めることができる。
4.AがBとの間で甲建物の賃貸借契約を合意解除した場合、AはCに対して、Bとの合意解除に基づいて、当然には甲建物の明渡しを求めることができない。
⇒正解(1) 細かい肢もありますが、正解肢が頻出問題なので取っておきたいところ。
1:賃借人の賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除する場合、賃借人Bに催告すれば足り、転借人Cに催告および賃料支払いの機会を与える必要はありません。
2:AB間の賃借料(10万円)の範囲で直接請求をすることができます。
34:賃借人の債務不履行により解除された場合は転借人に明渡請求ができますが、合意解除の場合に明渡請求をすることはできません。
【宅建士過去問 平成28年-問9】次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。
(判決文)
契約の一方当事者が、当該契約の締結に先立ち、信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には、上記一方当事者は、相手方が当該契約を締結したことにより被った損害につき、不法行為による賠償責任を負うことがあるのは格別、当該契約上の債務の不履行による賠償責任を負うことはないというべきである。(中略)上記のような場合の損害賠償請求権は不法行為により発生したものである(略)。
1.信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を買主に提供しなかった売主に対する買主の損害賠償請求権は、買主が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効により消滅する。
2.信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を買主に提供しなかった売主に対する買主の損害賠償請求権は、損害を被っていることを買主が知らない場合でも、売買契約から10年間行使しないときは、時効により消滅する。
3.買主に対して債権を有している売主は、信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を買主に提供しなかった売主に対する買主の損害陪償請求権を受働債権とする相殺をもって、買主に対抗することができない。
4.売主が信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を買主に提供しなかった場合、買主は、売主に対して、この説明義務違反を理由に、売買契約上の債務不履行責任を追及することはできない。
⇒正解(2) 判決文を読むまでもなく2番が明らかに誤りです。
2:被害者が損害および加害者を知らない場合、不法行為による損害賠償請求権が消滅するのは、不法行為のときから20年を経過したときです。
【宅建士過去問 平成28年-問10】甲建物を所有するAが死亡し、相続人がそれぞれAの子であるB及びCの2名である場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1.Bが甲建物を不法占拠するDに対し明渡しを求めたとしても、Bは単純承認をしたものとはみなされない。
2.Cが甲建物の賃借人Eに対し相続財産である未払賃料の支払いを求め、これを収受領得したときは、Cは単純承認をしたものとみなされる。
3.Cが単純承認をしたときは、Bは限定承認をすることができない。
4.Bが自己のために相続の開始があったことを知らない場合であっても、相続の開始から3か月が経過したときは、Bは単純承認をしたものとみなされる。
⇒正解(4)
124:単純承認をしたとみなされるのは、相続財産の処分や消費または隠匿、相続開始を知ったときから3ヶ月以内に限定承認や相続放棄をしなかった場合などです。1番は単なる保存行為です。
3:限定承認は、共同相続人の全員が共同して行います。
【宅建士過去問 平成28年-問11】Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借した場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、Aは借地権登記を備えていないものとする。
1.Aが甲建物を所有していても、建物保存登記をAの子C名義で備えている場合には、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたDに対して、Aは借地権を対抗することができない。
2.Aが甲建物を所有していても、登記上の建物の所在地番、床面積等が少しでも実際のものと相違している場合には、建物の同一性が否定されるようなものでなくても、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたEに対して、Aは借地権を対抗することができない。
3.AB間の賃貸借契約を公正証書で行えば、当該契約の更新がなく期間満了により終了し、終了時にはAが甲建物を収去すべき旨を有効に規定することができる。
4.Aが地代を支払わなかったことを理由としてBが乙土地の賃貸借契約を解除した場合、契約に特段の定めがないときは、Bは甲建物を時価で買い取らなければならない。
⇒正解(1)
2:建物の同一性が認められる軽微な相違なら、対抗要件である登記として認められます。
3:公正証書による定期借地権を設定するには存続期間を50年以上とする必要があり、更に居住用なので事業用借地権を設定することもできず、色々と根底から間違えている問題です。
4:賃借人の債務不履行により賃貸借契約が終了した場合、建物買取請求権は認められません。
【宅建士過去問 平成28年-問12】AはBと、B所有の甲建物につき、居住を目的として、期間3年、賃料月額20万円と定めて賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した。この場合における次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1.AもBも相手方に対し、本件契約の期間満了前に何らの通知もしなかった場合、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされるが、その期間は定めがないものとなる。
2.BがAに対し、本件契約の解約を申し入れる場合、甲建物の明渡しの条件として、一定額以上の財産上の給付を申し出たときは、Bの解約の申入れに正当事由があるとみなされる。
3.甲建物の適法な転借人であるCが、Bの同意を得て甲建物に造作を付加した場合、期間満了により本件契約が終了するときは、CはBに対してその造作を時価で買い取るよう請求することができる。
4.本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借で、契約の更新がない旨を定めた場合でも、BはAに対し、同条所定の通知期間内に、期間満了により本件契約が終了する旨の通知をしなければ、期間3年での終了をAに対抗することができない。
⇒正解(2) 常識的におかしい正解肢よりも、134番の正しい肢を必ず押さえておいてください。
2:正当事由がなければ賃貸人は解約申入れができず、高額の立退料が正当事由とはなりません。
4:期間1年以上の定期建物賃貸借の場合、賃貸人は、賃借人に対して期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に賃貸借が終了する旨の通知をすることを要します(通知を要する期間後に通知をした場合は、通知から6ヶ月経過で賃貸借契約が終了します)。
【宅建士過去問 平成28年-問13】建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.管理者は、集会において、毎年2回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。
2.管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
3.管理者は、自然人であるか法人であるかを問わないが、区分所有者でなければならない。
4.各共有者の共用部分の持分は、規約で別段の定めをしない限り、共有者数で等分することとされている。
⇒正解(2) 誤りの肢も易しめで、消去法でも取れますね。
1:毎年1回です。
3:自然人でも法人でも区分所有者でも区分所有者でなくても、特に制限なく管理者となれます。
4:原則として、専有部分の床面積の割合によります(規約で別段の定め可)。
【宅建士過去問 平成28年-問14】不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1.新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、所有権の保存の登記を申請しなければならない。
2.登記することができる権利には、抵当権及び賃借権が含まれる。
3.建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。
4.区分建物の所有権の保存の登記は、表題部所有者から所有権を取得した者も、申請することができる。
⇒正解(1)
1:所有権保存登記ではなく、所有権取得から1ヶ月以内に表題登記を行う必要があります。
【宅建士過去問 平成28年-問15】国土利用計画法第23条に規定する届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.市街化区域内の土地(面積2,500㎡)を購入する契約を締結した者は、その契約を締結した日から起算して3週間以内に事後届出を行わなければならない。
2.Aが所有する監視区域内の土地(面積10,000㎡)をBが購入する契約を締結した場合、A及びBは事後届出を行わなければならない。
3.都市計画区域外に所在し、一団の土地である甲土地(面積6,000㎡)と乙土地(面積5,000㎡)を購入する契約を締結した者は、事後届出を行わなければならない。
4.市街化区域内の甲土地(面積3,000㎡)を購入する契約を締結した者が、その契約締結の1月後に甲上地と一団の土地である乙土地(面積4,000㎡)を購入することとしている場合においては、甲土地の事後届出は、乙土地の契約締結後に乙土地の事後届出と併せて行うことができる。
⇒正解(3)
1:事後届出は、契約締結日から2週間以内に行います。
2:事後届出ではなく、監視区域内では事前届出(=当事者双方が届出義務者)が必要となります。
4:甲土地購入時で既に市街化区域の届出必要面積(2000㎡以上)に達しているので、甲土地を購入する契約の締結後2週間以内に事後届出が必要です。
【宅建士過去問 平成28年-問16】都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画には、施行予定者をも定めなければならない。
2.準都市計画区域については、都市計画に準防火地域を定めることができる。
3.高度利用地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。
4.地区計画については、都市計画に、地区計画の種類、名称、位置、区域及び面積並びに建築物の建蔽率及び容積率の最高限度を定めなければならない。
⇒正解(1) 難問なので気にせず。
2:準都市計画区域に防火・準防火地域を定めることはできません。
3:本肢は高度利用地区ではなく、高度地区の定義ですね。
4:面積は必須ではなく定めるよう努めれば足ります。また、建蔽率および容積率の最高限度は定めるよう努める必要もありません。
【宅建士過去問 平成28年-問17】都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
1.開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を廃止するときは、都道府県知事の許可を受けなければならない。
2.二以上の都府県にまたがる開発行為は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
3.開発許可を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権を取得した者は、都道府県知事の承認を受けることなく、当該開発許可を受けた者が有していた当該開発許可に基づく地位を承継することができる。
4.都道府県知事は、用途地域の定められていない土地の区域における開発行為について開発許可をする場合において必要があると認めるときは、当該開発区域内の土地について、建築物の敷地、構造及び設備に関する制限を定めることができる。
⇒正解(4)
1:許可ではなく、工事を廃止した旨を都道府県知事に届け出れば足ります。
2:二以上の都道府県にまたがっても都道府県知事の許可です。
3:開発許可を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権を取得した者は、都道府県知事の承認を受けることでその地位を承継します。
【宅建士過去問 平成28年-問18】建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.防火地域にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。
2.高さ30mの建築物には、原則として非常用の昇降機を設けなければならない。
3.準防火地域内においては、延べ面積が2,000㎡の共同住宅は準耐火建築物としなければならない。
4.延べ面積が1,000㎡を超える耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない。
⇒正解(1) 1番を見た瞬間に解けないといけないサービス問題。
2:非常用の昇降機を設けるのは、高さ31mを超える建築物です。
3:準防火地域内において、延べ面積が1500㎡を超える建築物は耐火建築物としなければなりません(法改正により延焼防止建築物でも可)。
4:延べ面積が1000㎡を超える建築物は、各区画の合計床面積をそれぞれ1000㎡以内とした上で防火壁で区画する必要がありますが、耐火・準耐火建築物は防火壁で区画する必要がありません。
【宅建士過去問 平成28年-問19】建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.特定行政庁が許可した場合、第一種低層住居専用地域内においても飲食店を建築することができる。
2.前面道路の幅員による容積率制限は、前面道路の幅員が12m以上ある場合は適用されない。
3.公園内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものについては、建蔽率の制限は適用されない。
4.第一種住居地域内における建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離は、当該地域に関する都市計画においてその限度が定められた場合には、当該限度以上でなければならない。
⇒正解(4) 細かい肢もありますが、消去法で正解したい問題ですね。
2:前面道路の幅員が12m以上のときは指定された容積率、12m未満のときは指定容積率と道路容積率の小さい方が適用されます。
3:他に建蔽率制限が適用されないものとして、派出所、公衆便所、建蔽率限度8/10の地域内において防火地域内にある耐火建築物などを覚えておきましょう。
4:外壁またはこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離の限度が定められるのは、第一種・第二種低層住居専用地域と田園住居地域内に限られます。
【宅建士過去問 平成28年-問20】宅地造成及び特定盛土等規制法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
1.宅地造成等工事規制区域外に盛土によって造成された一団の造成宅地の区域において、造成された盛土の高さが5m未満の場合は、都道府県知事は、当該区域を造成宅地防災区域として指定することができない。
2.宅地造成等工事規制区域内において、切土又は盛土をする土地の面積が600㎡である場合、その土地における排水施設は、政令で定める資格を有する者によって設計される必要はない。
3.宅地造成等工事規制区域内の土地において、高さが2mを超える擁壁を除却する工事を行おうとする者は、一定の場合を除き、その工事に着手する日の14日前までにその旨を都道府県知事に届け出なければならない。
4.宅地造成等工事規制区域内において、公共施設用地を宅地又は農地等に転用した者は、一定の場合を除き、その転用した日から14日以内にその旨を都道府県知事に届け出なければならない。
⇒正解(1) 正解肢が細かいですが、これも消去法でなんとか。
1:盛土5m未満でも、面積や地盤面の関係で造成宅地防災区域に指定されることがあります。
2:切土または盛土をする土地面積が1500㎡を超える土地における排水施設の設置または高さ5mを超える擁壁の設置は、有資格者の設計による必要があります。
3:排水施設や高さ2mを超える擁壁などを除却する場合、当該工事に着手する14日前までに都道府県知事に届け出ます。
【宅建士過去問 平成28年-問21】土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.施行者は、換地処分を行う前において、換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合においては、施行地区内の宅地について仮換地を指定することができる。
2.仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができる。
3.施行者は、仮換地を指定した場合において、特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生日と別に定めることができる。
4.土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、当該土地区画整理組合の許可を受けなければならない。
⇒正解(4)
4:土地区画整理組合の許可ではなく、都道府県知事の許可が必要です。
【宅建士過去問 平成28年-問22】農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
1.相続により農地を取得する場合は、法第3条第1項の許可を要しないが、相続人に該当しない者に対する特定遺贈により農地を取得する場合も、同項の許可を受ける必要はない。
2.法第2条第3項の農地所有適格法人の要件を満たしていない株式会社は、耕作目的で農地を借り入れることはできない。
3.法第3条第1項又は法第5条第1項の許可が必要な農地の売買について、これらの許可を受けずに売買契約を締結しても、その所有権の移転の効力は生じない。
4.農業者が、市街化調整区域内の耕作しておらず遊休化している自己の農地を、自己の住宅用地に転用する場合、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば、法第4条第1項の許可を受ける必要がない。
⇒正解(3) 2番が新しい知識ですが、正解肢が簡単すぎますね。
1:包括遺贈または相続人に対する特定遺贈は相続に含まれ3条許可不要ですが、相続人でない者に対する特定遺贈は相続に含まれず3条許可が必要となります。
2:農地所有適格法人の要件を満たしていない法人は農地を所有することはできませんが、借り入れることはできます。
4:市街化区域内の特例は、市街化調整区域内では適用されません。
【宅建士過去問 平成28年-問23】印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.印紙税の課税文書である不動産譲渡契約書を作成したが、印紙税を納付せず、その事実が税務調査により判明した場合は、納付しなかった印紙税額と納付しなかった印紙税額の10%に相当する金額の合計額が過怠税として徴収される。
2.「Aの所有する甲土地(価額3,000万円)とBの所有する乙土地(価額3,500万円)を交換する」旨の土地交換契約書を作成した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は3,500万円である。
3.「Aの所有する甲土地(価額3,000万円)をBに贈与する」旨の贈与契約書を作成した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は、3,000万円である。
4.売上代金に係る金銭の受取書(領収書)は記載された受取金額が3万円未満の場合、印紙税が課されないことから、不動産売買の仲介手数料として、現金48,600円(消費税及び地方消費税を含む。)を受け取り、それを受領した旨の領収書を作成した場合、受取金額に応じた印紙税が課される。
⇒正解(2)
1:本来の印紙税+2倍の額(計3倍)が徴収されます。
2:交換で価額が記載されている場合は高い方、交換差金のみが記載されている場合は交換差金が記載金額となります。
3:贈与は記載金額のないものとして200円の納付で足ります。
4:近年の法改正により、3万円ではなく5万円未満で非課税となりました。
【宅建士過去問 平成28年-問24】不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.家屋が新築された日から3年を経過して、なお、当該家屋について最初の使用又は譲渡が行われない場合においては、当該家屋が新築された日から3年を経過した日において家屋の取得がなされたものとみなし、当該家屋の所有者を取得者とみなして、これに対して不動産取得税を課する。
2.不動産取得税は、不動産の取得に対して課される税であるので、法人の合併により不動産を取得した場合にも、不動産取得税は課される。
3.平成28年4月に取得した床面積240㎡である新築住宅に係る不動産取得税の課税標準の算定については、当該新築住宅の価格から1,200万円が控除される。
4.平成28年4月に個人が取得した住宅及び住宅用地に係る不動産取得税の税率は3%であるが、住宅用以外の家屋及びその土地に係る不動産取得税の税率は4%である。
⇒正解(3)
1:3年ではなく、6ヶ月を経過した日に取得されたものとみなされます。
2:法人の合併、相続、共有物分割などで不動産取得税は課されません。
3:床面積50㎡以上240㎡以下の新築住宅取得で1200万円が控除されます。
4:土地全般と住宅用の建物は3%、住宅用以外の建物は4%となります。
【宅建士過去問 平成28年-問25】不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、正しいものはどれか。
1.不動産の鑑定評価によって求める価格は、基本的には正常価格であるが、市場性を有しない不動産については、鑑定評価の依頼目的及び条件に応じて限定価格、特定価格又は特殊価格を求める場合がある。
2.同一需給圏とは、一般に対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する圏域をいうが、不動産の種類、性格及び規模に応じた需要者の選好性によって、その地域的範囲は狭められる場合もあれば、広域的に形成される場合もある。
3.鑑定評価の各手法の適用に当たって必要とされる取引事例等については、取引等の事情が正常なものと認められるものから選択すべきであり、売り急ぎ、買い進み等の特殊な事情が存在する事例を用いてはならない。
4.収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法であるが、市場における土地の取引価格の上昇が著しいときは、その価格と収益価格との乖離が増大するものであるため、この手法の適用は避けるべきである。
⇒正解(2)
1:限定価格と特定価格も市場性を有する不動産について求められます。
3:事情補正を行えば、売り急ぎ、買い進み等の特殊な事情が存在する事例を用いることができます。
4:市場における土地の取引価格の上昇が著しく、その価格と収益価格との乖離が増大するときは、収益還元法を適用すべきです。
【宅建士過去問 平成28年-問26】宅建業者A(甲県知事免許)に対する監督処分に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.宅建業者Aは、自らが売主となった分譲マンションの売買において、宅建業法第35条に規定する重要事項の説明を行わなかった。この場合、Aは、甲県知事から業務停止を命じられることがある。
2.宅建業者Aは、乙県内で宅建業に関する業務において、著しく不当な行為を行った。この場合、乙県知事は、Aに対し、業務停止を命ずることはできない。
3.宅建業者Aは、甲県知事から指示処分を受けたが、その指示処分に従わなかった。この場合、甲県知事は、Aに対し、1年を超える期間を定めて、業務停止を命ずることができる。
4.宅建業者Aは、自ら所有している物件について、直接賃借人Bと賃貸借契約を締結するに当たり、宅建業法第35条に規定する重要事項の説明を行わなかった。この場合、Aは、甲県知事から業務停止を命じられることがある。
⇒正解(1)
2:指示処分と業務停止処分は、業務地の都道府県知事も行うことができます。
3:業務停止処分の期間は最長1年です。
4:自ら貸借は宅建業に該当しないので、重要事項の説明も不要です。
【宅建士過去問 平成28年-問27】宅建業者Aが、BからB所有の宅地の売却に係る媒介を依頼された場合における次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において一般媒介契約とは、専任媒介契約でない媒介契約をいう。
1.宅建業者AがBと一般媒介契約を締結した場合、当該一般媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を、宅建業法第34条の2第1項に規定する書面に記載する必要はない。
2.宅建業者AがBと専任媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買契約が成立しても、当該宅地の引渡しが完了していなければ、売買契約が成立した旨を指定流通機構に通知する必要はない。
3.宅建業者AがBと一般媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買の媒介を担当するAの宅建士は、宅建業法第34条の2第1項に規定する書面に記名押印する必要はない。
4.宅建業者Aは、Bとの間で締結した媒介契約が一般媒介契約であるか、専任媒介契約であるかを問わず、宅建業法第34条の2第1項に規定する書面に売買すべき価額を記載する必要はない。
⇒正解(3)
1:標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別は、一般媒介でも媒介契約書面の記載事項です。
2:引渡しは関係なく、売買契約が成立したら遅滞なく指定流通機構に通知します。
3:媒介契約書面には、35条や37条のように宅建士ではなく、宅建業者が記名押印します。
4:売買価額は媒介契約書面の記載事項です。
【宅建士過去問 平成28年-問28】宅建業者Aが、自ら売主として、宅建業者でないBとの間でマンション(代金4,000万円)の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定に違反するものの組合せはどれか。
ア 宅建業者Aは、建築工事完了前のマンションの売買契約を締結する際に、Bから手付金200万円を受領し、さらに建築工事中に200万円を中間金として受領した後、当該手付金と中間金について宅建業法第41条に定める保全措置を講じた。
イ 宅建業者Aは、建築工事完了後のマンションの売買契約を締結する際に、宅建業法第41条の2に定める保全措置を講じることなくBから手付金400万円を受領した。
ウ 宅建業者Aは、建築工事完了前のマンションの売買契約を締結する際に、Bから手付金500万円を受領したが、Bに当該手付金500万円を償還して、契約を一方的に解除した。
エ 宅建業者Aは、建築工事完了後のマンションの売買契約を締結する際に、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を1,000万円とする特約を定めた。
⇒正解(4) 違反するのはアウエ
ア:手付金(工事完了前物件について代金の5%ちょうど)の受領時に保全措置は不要ですが、中間金を受領する前に保全措置が必要となります。
イ:工事完了後物件について代金の10%ちょうどなので保全措置は不要です。
ウ:売主から手付解除を行うには、受領額の倍額の償還が必要です。
エ:代金の2/10を超える200万円について無効となります(特約自体が無効ではない点に注意)。
【宅建士過去問 平成28年-問29】宅建業者Aの業務に関する次の記述のうち、宅建業法の規定に違反するものの組合せはどれか。
ア 宅建業者Aは、マンションを分譲するに際して案内所を設置したが、売買契約の締結をせず、かつ、契約の申込みの受付も行わない案内所であったので、当該案内所に宅建業法第50条第1項に規定する標識を掲示しなかった。
イ 宅建業者Aは、建物の売買の媒介に際し、買主に対して手付の貸付けを行う旨を告げて契約の締結を勧誘したが、売買は成立しなかった。
ウ 宅建業者Aは、宅建業法第49条の規定によりその事務所ごとに備えるべきこととされている業務に関する帳簿について、取引関係者から閲覧の請求を受けたが、閲覧に供さなかった。
エ 宅建業者Aは、自ら売主となるマンションの割賦販売の契約について、宅建業者でない買主から賦払金が支払期日までに支払われなかったので、直ちに賦払金の支払の遅延を理由として契約を解除した。
⇒正解(3) 違反するのはアイエ
ア:申込みを行うか否かに関わらず、いかなる案内所にも標識を掲示する必要があります。
イ:契約が成立するか否かに関わらず、手付の貸与、後払い、分割払いは禁止されています。
ウ:取引関係者から請求があったときに閲覧に供するのは従業者名簿で、帳簿を見せる必要はありません。
エ:割賦金が支払われない場合、30日以内の期間を定めて書面で催告し、その期間内に支払われなければ契約を解除することができます。
【宅建士過去問 平成28年-問30】宅建業法第35条に規定する重要事項の説明及び同法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.宅建業者は、建物の貸借の媒介における重要事項の説明において、借賃の額並びにその支払の時期及び方法について説明するとともに、37条書面に記載しなければならない。
2.宅建士は、重要事項の説明をする際に、相手方から求められない場合は、宅建士証を提示しなくてもよい。
3.宅建業者は、37条書面を交付する際に、相手方の同意があった場合は、書面に代えて、電磁的記録で交付することができる。
4.宅建業者は、宅建士をして37条書面に記名押印させなければならないが、当該書面の交付は宅建士でない従業者に行わせることができる。
⇒正解(34) 2022年法改正により3番も正しい肢となっています。
1:借賃自体の額や支払時期、支払方法は37条書面の必要的記載事項ですが、重要事項として説明する必要はありません。借賃以外に授受される金銭の額と授受の目的は重要説明事項なので注意してください(授受の時期は重要説明事項ではありません)。
2:重要事項の説明時は、請求がなくても宅建士証を提示します。
3:電磁的記録で37条書面を交付することはできません。相手方の同意を得て電子交付も可能です。
4:宅建士の記名押印は必要ですが、35条書面、37条書面の交付者に制限はありません。
【宅建士過去問 平成28年-問31】宅建業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)の社員である宅建業者に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.保証協会に加入することは宅建業者の任意であり、一の保証協会の社員となった後に、宅建業に関し取引をした者の保護を目的として、重ねて他の保証協会の社員となることができる。
2.保証協会に加入している宅建業者(甲県知事免許)は、甲県の区域内に新たに支店を設置した場合、その設置した日から1月以内に当該保証協会に追加の弁済業務保証金分担金を納付しないときは、社員の地位を失う。
3.保証協会から還付充当金の納付の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
4.150万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付して当該保証協会の社員となった者と宅建業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、2,500万円を限度として、当該保証協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。
⇒正解(4)
1:社員となるか営業保証金を供託するかは宅建業者の任意ですが、一つの保証協会の社員となったら重ねて他の保証協会の社員となることはできません。
2:1ヶ月以内ではなく、新事務所の設置から2週間以内に弁済業務保証金分担金を納付します。
3:社員である宅建業者が自ら供託するのではなく、保証協会に還付充当金を現金で納付します。
4:弁済業務保証金分担金が150万円ということは、本店1支店3ですね。
【宅建士過去問 平成28年-問32】宅建業者A(甲県知事免許)がその業務に関して広告を行った場合における次の記述のうち、宅建業法の規定に違反しないものはどれか。
1.宅建業者Aは、宅地の造成に当たり、工事に必要とされる許可等の処分があった宅地について、当該処分があったことを明示して、工事完了前に、当該宅地の販売に関する広告を行った。
2.宅建業者Aは、自ら売主として新築マンションを分譲するに当たり、建築基準法第6条第1項の確認の申請中であったため、「建築確認申請済」と明示して、当該建物の販売に関する広告を行い、建築確認を受けた後に売買契約を締結した。
3.宅建業者Aは、中古の建物の売買において、当該建物の所有者Bから媒介の依頼を受け、取引態様の別を明示せずに自社ホームページに広告を掲載したが、広告を見た者からの問い合わせはなく、契約成立には至らなかった。
4.宅建業者Aは、甲県知事から業務の全部の停止を命じられ、その停止の期間中に未完成の土地付建物の販売に関する広告を行ったが、当該土地付建物の売買の契約は当該期間の経過後に締結した。
⇒正解(1)
12:開発許可や建築確認などの処分が終わっていれば、工事完了前でも広告をすることができます。
3:契約が成立したかどうかに関わらず、広告時には取引態様の別を明示する必要があります。
4:業務停止中でも広告だけならOK・・なわけがありません。
【宅建士過去問 平成28年-問33】宅建業者が売買等の媒介に関して受けることができる報酬についての次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
ア 宅建業者が媒介する物件の売買について、売主があらかじめ受取額を定め、実際の売却額との差額を当該宅建業者が受け取る場合は、媒介に係る報酬の限度額の適用を受けない。
イ 宅建業者は、媒介に係る報酬の限度額の他に、依頼者の依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を報酬に合算して、依頼者から受け取ることができる。
ウ 居住用の建物の貸借の媒介に係る報酬の額は、借賃の1月分の1.1倍に相当する額以内であるが、権利金の授受がある場合は、当該権利金の額を売買に係る代金の額とみなして算定することができる。
⇒正解(3) 全て誤り
ア:宅建業者が受け取る報酬額は、国土交通大臣の定める上限額を超えることはできません。
イ:依頼された広告料金や遠方への現地調査費以外を報酬に加えることはできません。
ウ:権利金を売買代金とみなすことができるのは、居住用以外の建物賃貸借に限られます。
【宅建士過去問 平成28年-問34】宅建業法第47条及び第47条の2に規定されている業務に関する禁止事項に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、Aは宅建業者である。
1.宅建業者Aが、賃貸アパートの媒介に当たり、入居申込者が無収入であることを知っており、入居申込書の収入欄に「年収700万円」とあるのは虚偽の記載であることを認識したまま、その事実を告げずに貸主に提出した行為は宅建業法に違反する。
2.宅建業者Aが、分譲マンションの購入を勧誘するに際し、うわさをもとに「3年後には間違いなく徒歩5分の距離に新しく私鉄の駅ができる」と告げた場合、そのような計画はなかったとしても、故意にだましたわけではないので宅建業法には違反しない。
3.宅建業者Aは、建売住宅の売買の相手方である買主から手付放棄による契約の解除の通知を受けたとしても、すでに所有権の移転登記を行い引渡しも済んでいる場合は、そのことを理曲に当該契約の解除を拒むことができる。
4.宅建業者Aが、宅地の売買契約締結の勧誘に当たり、相手方が手付金の手持ちがないため契約締結を迷っていることを知り、手付金の分割払いを持ちかけたことは、契約締結に至らなかったとしても宅建業法に違反する。
⇒正解(2) 説明不要の4肢ですね。合格者でこの問題を落とした人は0に近いでしょう。
2:故意でなくても、宅地建物の将来の環境や交通その他の利便について誤解させるべき断定的判断を提供することは禁止されています。
4:手付金の貸与、後払い、分割払いなどを持ちかけて契約締結を誘引することは、契約締結に至らなくても宅建業法に違反します。
【宅建士過去問 平成28年-問35】宅建業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.個人である宅建業者A(甲県知事免許)が、免許の更新の申請を怠り、その有効期間が満了した場合、Aは、遅滞なく、甲県知事に免許証を返納しなければならない。
2.法人である宅建業者B(乙県知事免許〉が、乙県知事から業務の停止を命じられた場合、Bは、免許の更新の申請を行っても、その業務の停止の期間中は免許の更新を受けることができない。
3.法人である宅建業者C(国土交通大臣免許)について破産手続開始の決定があった場合、その日から30日以内に、Cを代表する役員Dは、その旨を主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して国土交通大臣に届け出なければならない。
4.個人である宅建業者E(丙県知事免許)が死亡した場合、Eの一般承継人Fがその旨を丙県知事に届け出た後であっても、Fは、Eが生前締結した売買契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅建業者とみなされる。
⇒正解(4)
1:有効期限満了で免許証を返納する必要はありません(有効期間満了により返納を要する宅建士証と比較)。返納を要するのは、免許換えや廃業等の届出、免許取消処分、亡失などにより効力を失った免許証です。
2:業務を停止しているだけで免許の効力を失ったわけではありませんので、更新は可能です。
3:破産の場合の届出義務者は、代表する役員ではなく破産管財人です(法人の合併消滅や廃業は代表する役員、解散は清算人が届出義務者である点に注意)。
【宅建士過去問 平成28年-問36】宅建業者が行う宅建業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 区分所有権の目的である建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が借地借家法第22条に規定する定期借地権の設定された土地の上に存するときは、当該定期借地権が登記されたものであるか否かにかかわらず、当該定期借地権の内容について説明しなければならない。
イ 宅地の貸借の媒介を行う場合、当該宅地が流通業務市街地の整備に関する法律第4条に規定する流通業務地区にあるときは、同法第5条第1項の規定による制限の概要について説明しなければならない。
ウ 建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の売買代金の額並びにその支払の時期及び方法について説明する義務はないが、売買代金以外に授受される金銭があるときは、当該金銭の額及び授受の目的について説明しなければならない。
エ 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が建築工事の完了前であるときは、必要に応じ当該建物に係る図面を交付した上で、当該建築工事の完了時における当該建物の主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造について説明しなければならない。
⇒正解(4) 全て正しい記述ですね。イ以外はしっかり押さえておきましょう。
【宅建士過去問 平成28年-問37】宅建業法の規定に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 宅建業者A(甲県知事免許)が乙県内に新たに支店を設置して宅建業を営んでいる場合において、免許換えの申請を怠っていることが判明したときは、Aは、甲県知事から業務停止の処分を受けることがある。
イ 宅建業者Bが自ら売主として宅地の売買契約を成立させた後、当該宅地の引渡しの前に免許の有効期間が満了したときは、Bは、当該契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、宅建業者として当該取引に係る業務を行うことができる。
ウ Cが免許の申請前5年以内に宅建業に関し不正又は著しく不当な行為をした場合には、その行為について刑に処せられていなかったとしても、Cは免許を受けることができない。
エ 宅建業者D(甲県知事免許)が乙県内に新たに支店を設置して宅建業を営むため、国土交通大臣に免許換えの申請を行っているときは、Dは、甲県知事免許業者として、取引の相手方等に対し、宅建業法第35条に規定する重要事項を記載した書面及び宅建業法第37条の規定により交付すべき書面を交付することができない。
⇒正解(2) 正しいのはイウ。
ア:免許換えの申請を怠ることは、必要的免許取消事由です。甲県知事は、任意の業務停止ではなくAの免許を取り消さなければなりません。
ウ:免許換えの申請をしても、実際に新たな免許を受けるまでは従前のものが有効な免許となります。
エ:新たな免許を受けた時点で従前の免許が失効し、新たな免許を受けるまでの期間は依然として従前の免許の宅建業者のままです。
【宅建士過去問 平成28年-問38】宅建士資格登録(以下この問において「登録」という。)又は宅建士に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 宅建士(甲県知事登録)が、乙県で宅建業に従事することとなったため乙県知事に登録の移転の申請をしたときは、移転後新たに5年を有効期間とする宅建士証の交付を受けることができる。
イ 宅建士は、取引の関係者から宅建士証の提示を求められたときは、宅建士証を提示しなければならないが、従業者証明書の提示を求められたときは、宅建業者の代表取締役である宅建士は、当該証明書がないので提示をしなくてよい。
ウ 宅建士が家庭裁判所から後見を開始する旨の審判を受けたときは、その後見人は、3月以内に、その旨を登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。
エ 宅建士の氏名等が登載されている宅建士資格登録簿は一般の閲覧に供されることはないが、専任の宅建士は、その氏名が宅建業者名簿に登載され、当該名簿が一般の閲覧に供される。
⇒正解(1) 正しいエだけ少し細かめですね。
ア:従前の宅建士証の有効期間となります。
イ:無条件で提示する重要事項の説明時以外でも、取引関係者から請求があれば宅建士証を提示することを要します。従業者証明書も提示することを要します。
ウ:3ヶ月ではなく、30日以内に届け出ます。
エ:宅建士の登録簿が一般の閲覧に供されることはありませんが、宅建業者の名簿(専任宅建士の記載あり)は一般の閲覧に供されます(帳簿は閲覧義務なしということも一緒に覚えておきましょう)。
【宅建士過去問 平成28年-問39】宅建業者が媒介により区分所有建物の貸借の契約を成立させた場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「重要事項説明書」とは宅建業法第35条の規定により交付すべき書面をいい、「37条書面」とは宅建業法第37条の規定により交付すべき書面をいうものとする。
1.専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約において、ペットの飼育が禁止されている場合は、重要事項説明書にその旨記載し内容を説明したときも、37条書面に記載しなければならない。
2.契約の解除について定めがある場合は、重要事項説明書にその旨記載し内容を説明したときも、37条書面に記載しなければならない。
3.借賃の支払方法が定められていても、貸主及び借主の承諾を得たときは、37条書面に記載しなくてよい。
4.天災その他不可抗力による損害の負担に関して定めなかった場合には、その旨を37条書面に記載しなければならない。
⇒正解(2)
1:専有部分の利用制限に関する規約は、重要説明事項ですが37条書面記載事項ではありません。
3:借賃自体の額、支払時期、支払方法は、37条書面の必要的記載事項です(借賃自体の概要は重要説明事項でない点に注意)。
4:天災その他不可抗力による損害の負担は、37条書面の任意的記載事項です(重要説明事項ではありません)。
【宅建士過去問 平成28年-問40】宅建業者A(甲県知事免許)は、甲県に本店と支店を設け、営業保証金として1,000万円の金銭と額面金額500万円の国債証券を供託し、営業している。この場合に関する次の記述のうち宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.宅建業者Aは、本店を移転したため、その最寄りの供託所が変更した場合は、遅滞なく、移転後の本店の最寄りの供託所に新たに営業保証金を供託しなければならない。
2.宅建業者Aは、営業保証金が還付され、営業保証金の不足額を供託したときは、供託書の写しを添附して、30日以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。
3.本店で宅建業者Aと宅建業に関する取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、1,000万円を限度としてAからその債権の弁済を受ける権利を有する。
4.宅建業者Aは、本店を移転したため、その最寄りの供託所が変更した場合において、従前の営業保証金を取りもどすときは、営業保証金の還付を請求する権利を有する者に対し、一定期間内に申し出るべき旨の公告をしなければならない。
⇒正解(1)
1:金銭+国債証券で供託しているため、金銭のみで供託しているときに可能な保管替えを行うことはできませんね。
2:30日以内ではなく、2週間以内に届け出ます。
3:本店と支店を合わせた1500万円が上限です。
4:主たる事務所の最寄りの供託所が変わった、保証協会の社員となった、営業保証金の取戻事由発生から10年が経過、この3つのケースにおいては、公告不要で営業保証金を取り戻すことができます。
【宅建士過去問 平成28年-問41】宅建業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.宅建業者Aは、宅建業者Bから宅地の売却についての依頼を受けた場合、媒介契約を締結したときは媒介契約の内容を記載した書面を交付しなければならないが、代理契約を締結したときは代理契約の内容を記載した書面を交付する必要はない。
2.宅建業者Aは、自ら売主として宅地の売買契約を締結したときは、相手方に対して、遅滞なく、宅建業法第37条の規定による書面を交付するとともに、その内容について宅建士をして説明させなければならない。
3.宅建業者Aは、宅建業者でないCが所有する宅地について、自らを売主、宅建業者Dを買主とする売買契約を締結することができる。
4.宅建業者Aは、宅建業者でないEから宅地の売却についての依頼を受け、専属専任媒介契約を締結したときは、当該宅地について法で規定されている事項を、契約締結の日から休業日数を含め5日以内に指定流通機構へ登録する義務がある。
⇒正解(3)
1:代理契約については、媒介契約の規定が準用されます。
2:37条書面の内容を説明する必要はありません。
3:宅建業者は、自己の所有に属しない宅地建物について自ら売主となる売買契約を締結することはできませんが、宅建業者間でこの規定は適用されません。
4:休業日を除き5日以内に登録します。
【宅建士過去問 平成28年-問42】宅建業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、Aは宅建業者(消費税課税事業者)である。
1.宅建業者Aは、宅建業者Bと宅建業者Cの間で締結される宅地の売買契約の媒介においては、37条書面に引渡しの時期を記載しなくてもよい。
2.宅建業者Aは、自ら売主として土地付建物の売買契約を締結したときは、37条書面に代金の額を記載しなければならないが、消費税等相当額については記載しなくてもよい。
3.宅建業者Aは、自ら売主として、宅建業者Dの媒介により、宅建業者Eと宅地の売買契約を締結した。Dが宅建士をして37条書面に記名押印させている場合、Aは宅建士をして当該書面に記名押印させる必要はない。
4.宅建業者Aは、貸主Fと借主Gの間で締結される建物賃貸借契約について、Fの代理として契約を成立させたときは、FとGに対して37条書面を交付しなければならない。
⇒正解(4)
1:宅建業者間でも、37条書面の記載内容を省略することはできません。
2:代金額には消費税等を明記することも含まれます。
3:Aも売主として、通常通りの37条書面交付義務を負います。
【宅建士過去問 平成28年-問43】宅建業者Aが、自ら売主として、宅建業者でないBと建築工事完了前のマンション(代金3,000万円)の売買契約を締結した場合、宅建業法第41条の規定に基づく手付金等の保全措置(以下この問において「保全措置」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 宅建業者Aが、Bから手付金600万円を受領する場合において、その手付金の保全措置を講じていないときは、Bは、この手付金の支払を拒否することができる。
イ 宅建業者Aが、保全措置を講じて、Bから手付金300万円を受領した場合、Bから媒介を依頼されていた宅建業者Cは、Bから媒介報酬を受領するに当たり、Aと同様、あらかじめ保全措置を講じなければ媒介報酬を受領することができない。
ウ 宅建業者Aは、Bから手付金150万円を保全措置を講じないで受領し、その後引渡し前に、中間金350万円を受領する場合は、すでに受領した手付金と中間金の合計額500万円について保全措置を講じなければならない。
エ 宅建業者Aは、保全措置を講じないで、Bから手付金150万円を受領した場合、その後、建築工事が完了しBに引き渡す前に中間金150万円を受領するときは、建物についてBへの所有権移転の登記がなされるまで、保全措置を講じる必要がない。
⇒正解(2) 正しいのはアウ。
ア:工事完了前物件なので、代金の5%(150万円)が保全措置の基準額となりますね。
イ:保全措置とは、自ら売主となる宅建業者が手付金等について講じるものです。媒介業者だったり報酬についてだったり色々と間違えています。
エ:工事完了前物件(5%)か工事完了後物件(10%)かは、契約時を基準に判断します。よって、5%のままとなり、登記もなされていないため、中間金150万円を受領する際に手付金と合わせ300万円について保全措置を講じる必要があります。
【宅建士過去問 平成28年-問44】宅建業者Aが、自ら売主として、宅建業者でないBと宅地の売買契約を締結した場合、宅建業法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフについてAがBに告げるときに交付すべき書面の内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.Aについては、その商号又は名称及び住所並びに免許証番号、Bについては、その氏名(法人の場合、その商号又は名称)及び住所が記載されていなければならない。
2.Bは、クーリング・オフについて告げられた日から起算して8日を経過するまでの間は、代金の全部を支払った場合を除き、書面によりクーリング・オフによる契約の解除を行うことができることが記載されていなければならない。
3.クーリング・オフによる契約の解除は、Bが当該契約の解除を行う旨を記載した書面を発した時にその効力を生ずることが記載されていなければならない。
4.Bがクーリング・オフによる契約の解除を行った場合、Aは、それに伴う損害賠償又は違約金の支払をBに請求することができないこと、また、売買契約の締結に際し、手付金その他の金銭が支払われているときは、遅滞なくその全額をBに返還することが記載されていなければならない。
⇒正解(2)
1234:クーリング・オフについて告げる書面には、申込者の氏名と買主の氏名・住所、宅建業者の商号・住所・免許証番号、引渡しを受け代金の全部を支払ったときを除いて解除ができる旨、買主が書面を発したときに効力を生ずる旨、宅建業者は損害賠償や違約金の請求ができず、手付金等を遅滞なく返還する旨を記載します。
【宅建士過去問 平成28年-問45】宅建業者Aが、自ら売主として、宅建業者でないBに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。(令和2年の法改正により「瑕疵」→「不適合」となりましたが、当規定では瑕疵の定義を明記することで瑕疵という文言が存置されています)
1.宅建業者Aは、住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合、当該住宅の床面積が100㎡以下であるときは、新築住宅の合計戸数の算定に当たって、2戸をもって1戸と数えることになる。
2.宅建業者Aは、当該住宅をBに引き渡した日から3週間以内に、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について、宅建業の免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
3.宅建業者Aは、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をする場合、Bに対し、当該住宅の売買契約を締結するまでに、供託所の所在地等について記載した書面を交付して説明しなければならない。
4.宅建業者Aは、住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、Bが住宅の引渡しを受けた時から10年以内に当該住宅を転売したときは、住宅瑕疵担保責任保険法人にその旨を申し出て、当該保険契約の解除をしなければならない。
⇒正解(3)
1:100㎡ではなく、新築住宅の床面積55㎡以下のものについて2戸を1戸とすることができます。
2:引き渡した日から3週間ではなく、基準日から3週間以内に届け出ます。
4:転売されても保険契約を解除することはできません。
【宅建士過去問 平成28年-問46】独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.機構は、子どもを育成する家庭又は高齢者の家庭に適した良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅の建設又は改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。
2.機構は、証券化支援事業(買取型)において、債務者又は債務者の親族が居住する住宅のみならず、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権についても譲受けの対象としている。
3.機構は、証券化支援事業(買取型)において、バリアフリー性、省エネルギー性、耐震性、耐久性・可変性に優れた住宅を取得する場合に、貸付金の利率を一定期間引き下げる制度を実施している。
4.機構は、マンション管理組合や区分所有者に対するマンション共用部分の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。
⇒正解(2) 何となく正解できそうですが、全体的に細かめ。
2:証券化支援事業において、機構が買取の対象としているのは、住宅建設や購入のための貸付や申込者本人または親族が居住するなどの要件を満たす住宅であり、賃貸住宅の建設や購入は対象となりません。
【宅建士過去問 平成28年-問47】宅建業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
1.インターネット上に掲載した賃貸物件の広告について、掲載直前に契約済みとなったとしても、消費者からの問合せに対し既に契約済みであり取引できない旨を説明すれば、その時点で消費者の誤認は払拭されるため、不当表示に問われることはない。
2.宅地の造成及び建物の建築が禁止されており、宅地の造成及び建物の建築が可能となる予定がない市街化調整区域内の土地を販売する際の新聞折込広告においては、当該土地が市街化調整区域内に所在する旨を16ポイント以上の大きさの文字で表示すれば、宅地の造成や建物の建築ができない旨まで表示する必要はない。
3.半径300m以内に小学校及び市役所が所在している中古住宅の販売広告においては、当該住宅からの道路距離の表示を省略して、「小学校、市役所近し」と表示すればよい。
4.近くに新駅の設置が予定されている分譲住宅の販売広告を行うに当たり、当該鉄道事業者が新駅設置及びその予定時期を公表している場合、広告の中に新駅設置の予定時期を明示して表示してもよい。
⇒正解(4)
1:掲載直前に契約済みとなったなら掲載してはいけません。
2:宅地の造成や建物の建築ができない旨まで表示する必要があります。
3:学校、官公署、病院、公園その他公共施設について、道路距離を明らかにすることを要します。
4:運行主体が公表しているものは表示することができます。
【宅建士過去問 平成28年-問48】次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.平成28年地価公示(平成28年3月公表)によれば、平成27年1月以降の1年間の地価は、全国平均では、住宅地はわずかに下落しているものの下落幅は縮小しており、全用途平均では昨年までの下落から上昇に転じた。
2.平成28年版土地白書(平成28年5月公表)によれば、平成26年の住宅地、工業用地等の宅地は、全国で約193万ヘクタールあり、近年、減少傾向にある。
3.建築着工統計(平成28年1月公表)によれば、分譲住宅の着工戸数は、消費税増税の影響を受け、マンション、一戸建住宅ともに平成26年から2年連続で前年に比べ減少している。
4.平成27年度国土交通白書(平成28年6月公表)によれば、平成27年3月末時点の宅建業者数は122,685業者となっており、前年3月末時点に比べ減少した。
⇒正解(1) 統計は最新情報で確実に1点を確保してください。
【宅建士過去問 平成28年-問49】土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.豪雨による深層崩壊は、山体岩盤の深い所に亀裂が生じ、巨大な岩塊が滑落し、山間の集落などに甚大な被害を及ぼす。
2.花崗岩が風化してできた、まさ土地帯においては、近年発生した土石流災害によりその危険性が再認識された。
3.山麓や火山麓の地形の中で、土石流や土砂崩壊による堆積でできた地形は危険性が低く、住宅地として好適である。
4.丘陵地や台地の縁辺部の崖崩れについては、山腹で傾斜角が25度を超えると急激に崩壊地が増加する。
⇒正解(3)
3:土石流や土砂崩壊による堆積でできた地形は、土石流や土砂崩壊が再度発生する可能性があります。
【宅建士過去問 平成28年-問50】建築物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.鉄骨造は、自重が大きく、靱性が小さいことから、大空間の建築や高層建築にはあまり使用されない。
2.鉄筋コンクリート造においては、骨組の形式はラーメン式の構造が一般に用いられる。
3.鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄筋コンクリート造にさらに強度と靱性を高めた構造である。
4.ブロック造を耐震的な構造にするためには、鉄筋コンクリートの布基礎及び臥梁により壁体の底部と頂部を固めることが必要である。
⇒正解(1)
1:鉄骨造は、自重が軽く、靱性が大きいことから、大空間の建築や高層建築に適しています。よく工事現場で、鉄骨を骨組みとした大きな建築物を見かけますね。
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