とても役立つ年度別の解説付き宅建試験問題です。宅地建物取引業法=宅建業法などスッキリ略し、解説も要点だけに絞っています。要点を一気にチェックしながら平成26年(2014年)の通し問題を見ていきましょう。
- 平成26年(2014年)宅建試験問題と解説
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- 平成26年(2014年)宅建試験問題
- 1.権利関係の問題 問1~14
2.宅建業法の問題 問26~45
3.法令制限の問題 問15~22
4.税その他の問題 問23~25
5.税その他の問題 問46~50
【宅建過去問 平成26年-問1】次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。
1.賃借人の債務不履行を理由に、賃貸人が不動産の賃貸借契約を解除するには、信頼関係が破壊されていなければならない旨
2.当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる旨
3.債務の履行のために債務者が使用する者の故意又は過失は、債務者の責めに帰すべき事由に含まれる旨
4.債務不履行によって生じた特別の損害のうち、債務者が、債務不履行時に予見し、又は予見することができた損害のみが賠償範囲に含まれる旨
⇒正解(2) 2番以外は心理的な背景がありそうですね。
4:改正民法により、当事者が予見すべきであった事情について、債権者が賠償請求できる旨が条文化されています。
【宅建過去問 平成26年-問2】代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはいくつあるか。
ア 代理権を有しない者がした契約を本人が追認する場合、その契約の効力は、別段の意思表示がない限り、追認をした時から将来に向かって生ずる。
イ 不動産を担保に金員を借り入れる代理権を与えられた代理人が、本人の名において当該不動産を売却した場合、相手方において本人自身の行為であると信じたことについて正当な理由があるときは、表見代理の規定を類推適用することができる。
ウ 代理人は、行為能力者であることを要しないが、代理人が後見開始の審判を受けたときは、代理権が消滅する。
エ 代理人の意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、本人の選択に従い、本人又は代理人のいずれかについて決する。
⇒正解(2) 誤っているのはアとエで、取っておきたい易しめの代理個数問題。
ア:追認をすると、契約締結時に遡って有効となります。
エ:代理人について事実の有無を決します。
【宅建過去問 平成26年-問3】権利の取得や消滅に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1.売買契約に基づいて土地の引渡しを受け、平穏に、かつ、公然と当該土地の占有を始めた買主は、当該土地が売主の所有物でなくても、売主が無権利者であることにつき善意で無過失であれば、即時に当該不動産の所有権を取得する。
2.所有権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは消滅し、その目的物は国庫に帰属する。
3.買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり、この消滅時効は、買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行する。
4.20年間、平穏に、かつ、公然と他人が所有する土地を占有した者は、占有取得の原因たる事実のいかんにかかわらず、当該土地の所有権を取得する。
⇒正解(3)
1:即時取得とは動産に限った規定であり、不動産を即時取得するということはありません。
2:所有権が時効により消滅することはありません。
4:所有の意思を持ち、平穏かつ公然に占有する必要があります。
【宅建過去問 平成26年-問4】AがBとの間で、CのBに対する債務を担保するためにA所有の甲土地に抵当権を設定する場合と根抵当権を設定する場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.抵当権を設定する場合には、被担保債権を特定しなければならないが、根抵当権を設定する場合には、BC間のあらゆる範囲の不特定の債権を極度額の限度で被担保債権とすることができる。
2.抵当権を設定した旨を第三者に対抗する場合には登記が必要であるが、根抵当権を設定した旨を第三者に対抗する場合には、登記に加えて、債務者Cの異議を留めない承諾が必要である。
3.Bが抵当権を実行する場合には、AはまずCに催告するように請求することができるが、Bが根抵当権を実行する場合には、AはまずCに催告するように請求することはできない。
4.抵当権の場合には、BはCに対する他の債権者の利益のために抵当権の順位を譲渡することができるが、元本の確定前の根抵当権の場合には、Bは根抵当権の順位を譲渡することができない。
⇒正解(4)
1:根抵当権は、あらゆる範囲ではなく、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度で担保します。
2:普通抵当権も根抵当権も登記で足ります。
3:普通抵当権でも根抵当権でも、物上保証人に催告の抗弁権は認められません。
4:元本確定前の根抵当権の順位譲渡はできません。
【宅建過去問 平成26年-問5】債権譲渡に関する次の1から4までの記述のうち、下記判決文によれば、正しいものはどれか。(改正民法により判決文とは異なる条文が規定されました)
(判決文)民法は、原則として債権の譲渡性を認め(民法第466条第1項)、当事者が反対の意思を表示した場合にはこれを認めない旨定めている(同条第2項本文)ところ、債権の譲渡性を否定する意思を表示した譲渡禁止の特約は、債務者の利益を保護するために付されるものと解される。そうすると、譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者は、同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張する独自の利益を有しないのであって、債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情がない限り、その無効を主張することは許されないと解するのが相当である。
1.債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債権者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるときに限り、債務者が当該譲渡は無効である旨の主張をすることは許される。
2.債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債権者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであれば、譲渡した債権者が当該譲渡は無効である旨の主張をすることは許される。
3.債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであれば、譲渡した債権者が当該譲渡は無効である旨の主張をすることは許される。
4.債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債権譲渡禁止の特約は債務者の利益を保護するために付されるものであるので、債権者はいかなるときも当該譲渡が無効であることを主張することは許されない。
⇒正解(3) 改正民法により成立しない問題となっていますが参考までに・・少し時間をかければ正解が分かる国語力の問題。できるだけ短時間で何が言いたいのか読み取り正解したいところ。いきなり判決文を読んでも意味が分からず、肢1を読んで判決文に戻り肢2を読んで判決文に戻り…と要領の悪いことはせずに、まず肢1を読み、問いたい意図を感じ取り判決文を読み、肢234を一気に読み、肢1234で違うところを比較し、仕上げに判決文を読んで論点を導き出してください。判決文と肢の一つずつを比較するのではなく、肢ごとで比較をして違いを把握してから判決文に戻ると断然早いです。
【宅建過去問 平成26年-問6】Aは、Bに建物の建築を注文し、完成して引渡しを受けた建物をCに対して売却した。本件建物に瑕疵があった場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1.Cは、売買契約の締結の当時、本件建物に瑕疵があることを知っていた場合であっても、瑕疵の存在を知ってから1年以内であれば、Aに対して売買契約に基づく瑕疵担保責任を追及することができる。
2.Bが建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき義務を怠ったために本件建物に基本的な安全性を損なう瑕疵がある場合には、当該瑕疵によって損害を被ったCは、特段の事情がない限り、Bに対して不法行為責任に基づく損害賠償を請求できる。
3.CがBに対して本件建物の瑕疵に関して不法行為責任に基づく損害賠償を請求する場合、当該請求ができる期間は、Cが瑕疵の存在に気付いてから1年以内である。
4.本件建物に存在している瑕疵のために請負契約を締結した目的を達成することができない場合、AはBとの契約を一方的に解除することができる。
⇒正解(24)
1.契約締結時に善意無過失だった買主に限り、売主の担保責任を追及することができます。改正民法により債務不履行の原則に従い、債務者の帰責事由の問題となります。
3.不適合を知って1年(以内に通知)というのは担保責任の追及期間で、不法行為による損害賠償請求は、損害および加害者を知って3年または不法行為から20年の経過により消滅時効にかかります。
4.建物その他の土地工作物については解除することができません。改正民法により解除可能となりました。
【宅建過去問 平成26年-問7】賃貸人Aから賃借人Bが借りたA所有の甲土地の上に、Bが乙建物を所有する場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、Bは、自己名義で乙建物の保存登記をしているものとする。
1.BがAに無断で乙建物をCに月額10万円の賃料で貸した場合、Aは、借地の無断転貸を理由に、甲土地の賃貸借契約を解除することができる。
2.Cが甲土地を不法占拠してBの土地利用を妨害している場合、Bは、Aの有する甲土地の所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使してCの妨害の排除を求めることができるほか、自己の有する甲土地の賃借権に基づいてCの妨害の排除を求めることができる。
3.BがAの承諾を得て甲土地を月額15万円の賃料でCに転貸した場合、AB間の賃貸借契約がBの債務不履行で解除されても、AはCに解除を対抗することができない。
4.AB間で賃料の支払時期について特約がない場合、Bは、当月末日までに、翌月分の賃料を支払わなければならない。
⇒正解(2)
1:建物を貸しているだけなので「借地の無断転貸」以前の問題です。尚、借地上の建物を売却することは借地権の譲渡にあたりますので注意してください(=借地権設定者の承諾必要)。
3:Cに関係なく、Bに催告するだけで賃貸借契約は解除されます。
4:本肢のような特約も可能です(実際に翌月分を支払っているケースも多いでしょう)が、月末に当月分が原則となります。
【宅建過去問 平成26年-問8】不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1.不法行為による損害賠償請求権の期間の制限を定める民法第724条における、被害者が損害を知った時とは、被害者が損害の発生を現実に認識した時をいう。
2.不法行為による損害賠償債務の不履行に基づく遅延損害金債権は、当該債権が発生した時から10年間行使しないことにより、時効によって消滅する。
3.不法占拠により日々発生する損害については、加害行為が終わった時から一括して消滅時効が進行し、日々発生する損害を知った時から別個に消滅時効が進行することはない。
4.不法行為の加害者が海外に在住している間は、民法第724条後段の20年の時効期間は進行しない。
⇒正解(1) 細かい肢もありますが、正解肢が簡単なので取っておきたい問題。
2:不法行為による損害賠償請求権は、損害および加害者を知ったときから3年または不法行為のときから20年の経過で消滅時効にかかり、通常債権の消滅時効とは別物です。
3:被害者がそれぞれを知ったときから別個に進行します。
4:民法の消滅時効は、加害者が海外に在住している間も進行します。
【宅建過去問 平成26年-問9】後見人制度に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.成年被後見人が第三者との間で建物の贈与を受ける契約をした場合には、成年後見人は、当該法律行為を取り消すことができない。
2.成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する場合には、家庭裁判所の許可を要しない。
3.未成年後見人は、自ら後見する未成年者について、後見開始の審判を請求することはできない。
4.成年後見人は家庭裁判所が選任する者であるが、未成年後見人は必ずしも家庭裁判所が選任する者とは限らない。
⇒正解(4) 細かめの肢が並んだやや難問。
1:成年被後見人が、日用品の購入その他日常生活に関する行為以外の行為を行ったときは取り消すことができます。単に権利を得る行為なら認められるのは未成年者ですね。
2:成年後見人が成年被後見人の居住用不動産を売却、賃貸、抵当権の設定等を行うには、家庭裁判所の許可が必要です。
3:自ら後見する未成年者について後見開始の審判も行われます。
4:親権者は、遺言で未成年後見人を指定することができます。
【宅建過去問 平成26年-問10】Aには、父のみを同じくする兄Bと、両親を同じくする弟C及び弟Dがいたが、C及びDは、Aより先に死亡した。Aの両親は既に死亡しており、Aには内縁の妻Eがいるが、子はいない。Cには子F及び子Gが、Dには子Hがいる。Aが、平成26年8月1日に遺言を残さずに死亡した場合の相続財産の法定相続分として、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.Eが2分の1、Bが6分の1、Fが9分の1、Gが9分の1、Hが9分の1である。
2.Bが3分の1、Fが9分の2、Gが9分の2、Hが9分の2である。
3.Bが5分の1、Fが5分の1、Gが5分の1、Hが5分の2である。
4.Bが5分の1、Fが15分の4、Gが15分の4、Hが15分の4である。
⇒正解(3) 肢の1つでも出題されるので、相続分の計算は確実にマスターを。内縁の妻Eは法定相続人とはならず、半血の兄弟Bは他の兄弟の1/2、あとは代襲相続分を計算すれば簡単ですね。
【宅建過去問 平成26年-問11】甲土地の所有者が甲土地につき、建物の所有を目的として賃貸する場合(以下「ケース①」という。)と、建物の所有を目的とせずに資材置場として賃貸する場合(以下「ケース②」という。)に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.賃貸借の存続期間を40年と定めた場合には、ケース①では書面で契約を締結しなければ期間が30年となってしまうのに対し、ケース②では口頭による合意であっても期間は40年となる。
2.ケース①では、賃借人は、甲土地の上に登記されている建物を所有している場合には、甲土地が第三者に売却されても賃借人であることを当該第三者に対抗できるが、ケース②では、甲土地が第三者に売却された場合に賃借人であることを当該第三者に対抗する方法はない。
3.期間を定めない契約を締結した後に賃貸人が甲土地を使用する事情が生じた場合において、ケース①では賃貸人が解約の申入れをしても合意がなければ契約は終了しないのに対し、ケース②では賃貸人が解約の申入れをすれば契約は申入れの日から1年を経過することによって終了する。
4.賃貸借の期間を定めた場合であって当事者が期間内に解約する権利を留保していないとき、ケース①では賃借人側は期間内であっても1年前に予告することによって中途解約することができるのに対し、ケース②では賃貸人も賃借人もいつでも一方的に中途解約することができる。
⇒正解(13) それほど細かい知識でもありませんが、ちょっとややこしいですね。不正解でも気にせず。
1:①借地借家法が適用され30年以上を定めたときはその期間(40年)が存続期間、②民法の賃貸借が適用され50年以上を定めたときは50年に短縮されます。改正民法により20年→50年となったため、正しい肢となっています。
2:①借地上に借地権者が登記している建物があれば対抗可、②賃貸借の登記があれば対抗可。
4:①②どちらも中途解約権を留保しない限り、原則として中途解約は認められません。
【宅建過去問 平成26年-問12】借地借家法第38条の定期建物賃貸借(以下この問において「定期建物賃貸借」という。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1.定期建物賃貸借契約を締結するには、公正証書による等書面(電子交付可)によらなければならない。
2.定期建物賃貸借契約を締結するときは、期間を1年未満としても、期間の定めがない建物の賃貸借契約とはみなされない。
3.定期建物賃貸借契約を締結するには、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを、当該契約書と同じ書面内に記載して説明すれば足りる。
4.定期建物賃貸借契約を締結しようとする場合、賃貸人が、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを説明しなかったときは、契約の更新がない旨の定めは無効となる。
⇒正解(3) 4肢とも易しめ問題です。
3:契約書と同じ書面ではなく、前もって書面を交付(相手方の承諾を得て電子交付可)して説明することを要します。
【宅建過去問 平成26年-問13】建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.区分所有者の団体は、区分所有建物が存在すれば、区分所有者を構成員として当然に成立する団体であるが、管理組合法人になることができるものは、区分所有者の数が30人以上のものに限られる。
2.専有部分が数人の共有に属するときの集会の招集の通知は、法第40条の規定に基づく議決権を行使すべき者にすればよく、共有者間で議決権を行使すべき者が定められていない場合は、共有者のいずれか一人にすればよい。
3.建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合、規約で別段の定めがない限り、各区分所有者は、滅失した共用部分について、復旧の工事に着手するまでに復旧決議、建替え決議又は一括建替え決議があったときは、復旧することができない。
4.管理者が、規約の保管を怠った場合や、利害関係人からの請求に対して正当な理由がないのに規約の閲覧を拒んだ場合は、20万円以下の過料に処せられる。
⇒正解(1) やや細かめの肢が並んでいますが、明らかに誤りな1番を見た瞬間に正解したい問題。
1:区分所有者の30人以上が必要という規定は10年以上前に改正されています。
【宅建過去問 平成26年-問14】不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.表示に関する登記を申請する場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。
2.新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない。
3.信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。
4.仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるときは、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。
⇒正解(1) ちょっとひっかかりそうですが落とせない問題、合否を分ける問題です。
1:権利に関する登記申請は、原則として申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供する必要がありますが、表示の登記にはこのような規定はありません。
【宅建過去問 平成26年-問15】都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.都市計画区域については、用途地域が定められていない土地の区域であっても、一定の場合には、都市計画に、地区計画を定めることができる。
2.高度利用地区は、市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため定められる地区であり、用途地域内において定めることができる。
3.準都市計画区域においても、用途地域が定められている土地の区域については、市街地開発事業を定めることができる。
4.高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するために定められる地区であり、近隣商業地域及び準工業地域においても定めることができる。
⇒正解(3) 細かい肢もありますが、正解肢が簡単なので落とせません。
3:市街地開発事業を定めることができるのは、都市計画区域内のみです。
【宅建過去問 平成26年-問16】次のアからウまでの記述のうち、都市計画法による開発許可を受ける必要のある、又は同法第34条の2の規定に基づき協議する必要のある開発行為の組合せとして、正しいものはどれか。ただし、開発許可を受ける必要のある、又は協議する必要のある開発行為の面積については、条例による定めはないものとする。
ア 市街化調整区域において、国が設置する医療法に規定する病院の用に供する施設である建築物の建築の用に供する目的で行われる1,500㎡の開発行為
イ 市街化区域において、農林漁業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行われる1,200㎡の開発行為
ウ 区域区分が定められていない都市計画区域において、社会教育法に規定する公民館の用に供する施設である建築物の建築の用に供する目的で行われる4,000㎡の開発行為
⇒正解(1)正しいのはアイ
ア:国や都道府県等が行う開発行為は、知事との協議により開発許可があったものとみなされます。
イ:市街会区域なので農林漁業用建築物の例外は適用されず、市街化区域内で1,000㎡以上なので開発許可が必要です。
ウ:公民館、図書館、博物館、駅など公益上必要な建物(病院や学校が含まれない点に注意)は区域や規模を問わず開発許可が不要です。
【宅建過去問 平成26年-問17】建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.住宅の地上階における居住のための居室には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して原則として7分の1以上としなければならない。
2.建築確認の対象となり得る工事は、建築物の建築、大規模の修繕及び大規模の模様替であり、建築物の移転は対象外である。
3.高さ15mの建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効に避雷設備を設けなければならない。
4.準防火地域内において建築物の屋上に看板を設ける場合は、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない。
⇒正解(1)
1:採光のための開口部は1/7以上(50ルクス以上の照明設備の設置等の措置が講じられているときは10分の1以上までの範囲内とすることも可能)、換気のための開口部は1/20以上という点に注意。
2:建築確認における建築とは、新築、増築、改築、移転が対象となります。
3:避雷設備が必要なのは高さ20mを超える(=20mちょうどは不要!)建築物です。
4:防火地域の規定であり、準防火地域でこのような規定はありません。
【宅建過去問 平成26年-問18】建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.店舗の用途に供する建築物で当該用途に供する部分の床面積の合計が10,000㎡を超えるものは、原則として工業地域内では建築することができない。
2.学校を新築しようとする場合には、法第48条の規定による用途制限に適合するとともに、都市計画により敷地の位置が決定されていなければ新築することができない。
3.特別用途地区内においては、地方公共団体は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条の規定による建築物の用途制限を緩和することができる。
4.都市計画において定められた建蔽率の限度が10分の8とされている地域外で、かつ、防火地域内にある耐火建築物の建蔽率については、都市計画において定められた建蔽率の数値に10分の1を加えた数値が限度となる。
⇒正解(2) 正解肢は細かいですが、他の肢が簡単なので消去法で正解したい問題。
1:床面積10,000㎡を超える店舗、飲食店、遊技場等を建築することができるのは、商業、近隣商業、準工業地域です。
2:敷地の位置までが決定していなければ新築または増築できないのは、卸売市場等の用途に供する特殊建築物です。
【宅建過去問 平成26年-問19】宅地造成及び特定盛土等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び特例市にあってはその長をいうものとする。
1.宅地造成等工事規制区域内において、宅地を宅地以外の土地にするために行われる切土であって、当該切土をする土地の面積が600㎡で、かつ、高さ3mの崖を生ずることとなるものに関する工事については、都道府県知事の許可は必要ない。
2.都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事の許可に付した条件に違反した者に対して、その許可を取り消すことができる。
3.土地の占有者又は所有者は、都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が、宅地造成等工事規制区域指定の基礎調査のために当該土地に立ち入って測量又は調査を行う場合、正当な理由がない限り、立入りを拒み、又は妨げてはならない。
4.宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事の許可を受けた者は、国土交通省令で定める軽微な変更を除き、当該工事の計画を変更しようとするときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
⇒正解(4)
1:宅地造成とは、宅地以外の土地を宅地にするか、宅地において行う土地形質の変更をいい、宅地を宅地以外の土地に云々の時点で宅地造成に該当していません。
3:立入により損害を与えた場合は、通常生ずべき損失を補償します。
4:届出ではなく許可が必要。
【宅建過去問 平成26年-問20】土地区画整理法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.施行者は、宅地の所有者の申出又は同意があった場合においては、その宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者に補償をすれば、換地計画において、その宅地の全部又は一部について換地を定めないことができる。
2.施行者は、施行地区内の宅地について換地処分を行うため、換地計画を定めなければならない。この場合において、当該施行者が土地区画整理組合であるときは、その換地計画について市町村長の認可を受けなければならない。
3.関係権利者は、換地処分があった旨の公告があった日以降いつでも、施行地区内の土地及び建物に関する登記を行うことができる。
4.土地区画整理事業の施行により公共施設が設置された場合においては、その公共施設は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、原則としてその公共施設の所在する市町村の管理に属することになる。
⇒正解(4)
1:補償ではなく、同意が必要です。
2:市町村長ではなく、都道府県知事の認可です。
3:関係権利者ではなく、施行者が登記を行います。
【宅建過去問 平成26年-問21】農地法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.農地について法第3条第1項の許可があったときは所有権が移転する旨の停止条件付売買契約を締結し、それを登記原因とする所有権移転の仮登記を申請する場合には、その買受人は農業委員会に届出をしなければならない。
2.市街化区域内の農地について、耕作の目的に供するために競売により所有権を取得しようとする場合には、その買受人は法第3条第1項の許可を受ける必要はない。
3.農業者が住宅の改築に必要な資金を銀行から借りるために、自己所有の農地に抵当権を設定する場合には、法第3条第1項の許可を受ける必要はない。
4.山林を開墾し現に農地として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林であれば、法の適用を受ける農地とはならない。
⇒正解(3) この問題で迷うようでは合格レベルにはまだまだです。
1:届出ではなく、3条許可の申請を行います。
2:競売による取得は3条許可が必要です。
3:抵当権設定に農地法3条許可は不要です。
4:農地にあたるかどうかは、登記簿上の地目ではなく現況で判断します。
【宅建過去問 平成26年-問22】次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.国土利用計画法によれば、同法第23条の届出に当たっては、土地売買等の対価の額についても都道府県知事(地方自治法に基づく指定都市にあっては、当該指定都市の長)に届け出なければならない。
2.森林法によれば、保安林において立木を伐採しようとする者は、一定の場合を除き、都道府県知事の許可を受けなければならない。
3.海岸法によれば、海岸保全区域内において土地の掘削、盛土又は切土を行おうとする者は、一定の場合を除き、海岸管理者の許可を受けなければならない。
4.都市緑地法によれば、特別緑地保全地区内において建築物の新築、改築又は増築を行おうとする者は、一定の場合を除き、公園管理者の許可を受けなければならない。
⇒正解(4)
4:都市緑地法は都道府県知事の許可です。
【宅建過去問 平成26年-問23】住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.この税率の軽減措置は、一定の要件を満たせばその住宅用家屋の敷地の用に供されている土地に係る所有権の移転の登記にも適用される。
2.この税率の軽減措置は、個人が自己の経営する会社の従業員の社宅として取得した住宅用家屋に係る所有権の移転の登記にも適用される。
3.この税率の軽減措置は、以前にこの措置の適用を受けたことがある者が新たに取得した住宅用家屋に係る所有権の移転の登記には適用されない。
4.この税率の軽減措置は、所有権の移転の登記に係る住宅用家屋が、築年数が25年以内の耐火建築物に該当していても、床面積が50㎡未満の場合には適用されない。
⇒正解(4) 超難問というほどでもありませんが、なかなか深めの問題。
1:住宅用家屋の所有権を取得した場合に限られます。
2:個人の居住の用に供する場合に限られ、社宅は適用外です。
3:適用回数に制限はありません。
4:登録免許税率の軽減措置を受けられるのは、床面積50㎡以上で、耐火建築物は築25年以内(中古住宅は築20年以内)であることを要します。
【宅建過去問 平成26年-問24】不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.不動産取得税は、不動産の取得に対して、当該不動産の所在する市町村において課する税であり、その徴収は普通徴収の方法によらなければならない。
2.共有物の分割による不動産の取得については、当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超えなければ不動産取得税が課されない。
3.不動産取得税は、独立行政法人及び地方独立行政法人に対しては、課することができない。
4.相続による不動産の取得については、不動産取得税が課される。
⇒正解(2)
1:当該不動産の所在する都道府県が課する税です。
3:国、都道府県、市町村、地方独立行政法人などには不動産取得税が課されませんが、独立行政法人に対しては課税されるケースもあります。
4:相続(遺贈含む)や法人の合併で不動産取得税は課されません。
【宅建過去問 平成26年-問25】地価公示法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.土地鑑定委員会は、標準地の価格の総額を官報で公示する必要はない。
2.土地の使用収益を制限する権利が存する土地を標準地として選定することはできない。
3.不動産鑑定士が土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては、標準地の鑑定評価額が前年の鑑定評価額と変わらない場合は、その旨を土地鑑定委員会に申告することにより、鑑定評価書の提出に代えることができる。
4.不動産鑑定士は、土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格を基本とし、必要に応じて、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案しなければならない。
⇒正解(1) 細かいひっかけ問題が並んだやらしい出題ですね。
1:総額ではなく、単位面積あたりの価格などを官報で公示します。
2:このような規定はありません。
3:前年と同じでも鑑定評価書の省略はできません。
4:近傍類地の取引価格から算定される推定の価格を基本とし、必要に応じて近傍類地の地代等から算定される推定の価格および同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案するのではなく、これら3種の価格を総合的に勘案することを要します。
【宅建過去問 平成26年-問26】宅建業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア Aの所有する商業ビルを賃借しているBが、フロアごとに不特定多数の者に反復継続して転貸する場合、AとBは免許を受ける必要はない。
イ 宅建業者Cが、Dを代理して、Dの所有するマンション(30戸)を不特定多数の者に反復継続して分譲する場合、Dは免許を受ける必要はない。
ウ Eが転売目的で反復継続して宅地を購入する場合でも、売主が国その他宅地建物取引業法の適用がない者に限られているときは、Eは免許を受ける必要はない。
エ Fが借金の返済に充てるため、自己所有の宅地を10区画に区画割りして、不特定多数の者に反復継続して売却する場合、Fは免許を受ける必要はない。
⇒正解(1) 正しいのはアのみ
イ:反復継続して不特定多数の者に売却する場合、宅建業者に代理させても免許は必要です。
ウ:国や地方公共団体に宅建免許が不要でも、相手方まで免許が不要となるわけではありません。
エ:借金返済など、目的は関係ありません。
【宅建過去問 平成26年-問27】宅建業法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.契約締結権限を有する者を置き、継続的に業務を行う場所であっても、商業登記簿に登載されていない事務所は、宅建業法第3条第1項に規定する事務所には該当しない。
2.国土交通大臣又は都道府県知事は、免許に条件を付すことができるが、免許の更新に当たっても条件を付すことができる。
3.法人である宅建業者が株主総会の決議により解散することとなった場合、その法人を代表する役員であった者は、その旨を当該解散の日から30日以内に免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
4.免許申請中である者が、宅建業を営む目的をもって宅地の売買に関する新聞広告を行った場合であっても、当該宅地の売買契約の締結を免許を受けた後に行うのであれば、宅建業法第12条に違反しない。
⇒正解(2)
1:商業登記簿に登載されいるかどうかは、事務所にあたるかどうかとは無関係です。
2:更新の際にも条件を付すことができます。
3:法人が解散した場合に届け出るのは清算人です(合併による消滅の場合は、消滅した法人を代表する役員であった者が届け出る点と比較)。
4:免許申請中に広告も不可です。
【宅建過去問 平成26年-問28】宅建業者A(甲県知事免許)が乙県内に建設したマンション(100戸)の販売について、宅建業者B(国土交通大臣免許)及び宅建業者C(甲県知事免許)に媒介を依頼し、Bが当該マンションの所在する場所の隣接地(乙県内)に、Cが甲県内にそれぞれ案内所を設置し、売買契約の申込みを受ける業務を行う場合における次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1.宅建業者Bは国土交通大臣及び乙県知事に、宅建業者Cは甲県知事に、業務を開始する日の10日前までに宅建業法第50条第2項に定める届出をしなければならない。
2.宅建業者Aは、宅建業法第50条第2項に定める届出を甲県知事及び乙県知事へ届け出る必要はないが、当該マンションの所在する場所に宅建業法第50条第1項で定める標識を掲示しなければならない。
3.宅建業者Bは、その設置した案内所の業務に従事する者の数5人に対して1人以上の割合となる数の専任の宅建士を当該案内所に置かなければならない。
4.宅建業者Aは、宅建業者Cが設置した案内所においてCと共同して契約を締結する業務を行うこととなった。この場合、Aが当該案内所に専任の宅建士を設置すれば、Cは専任の宅建士を設置する必要はない。
⇒正解(3)
3:宅建士設置義務のある案内所には、従事する人数に関係なく1人以上の専任宅建士を置けば足ります。
【宅建過去問 平成26年-問29】宅建業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.新たに宅建業を営もうとする者は、営業保証金を金銭又は国土交通省令で定める有価証券により、主たる事務所の最寄りの供託所に供託した後に、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けなければならない。
2.宅建業者は、既に供託した額面金額1,000万円の国債証券と変換するため1,000万円の金銭を新たに供託した場合、遅滞なく、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
3.宅建業者は、事業の開始後新たに従たる事務所を設置したときは、その従たる事務所の最寄りの供託所に政令で定める額を供託し、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
4.宅建業者が、営業保証金を金銭及び有価証券をもって供託している場合で、主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更したときは、金銭の部分に限り、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所への営業保証金の保管替えを請求することができる。
⇒正解(2)
1:供託をして免許を受けるのではなく、免許を受けてから供託します。
2:営業保証金の変換を行った場合は、遅滞なく免許権者に届け出ます。
3:新設した支店の最寄りに供託所があったとしても、主たる事務所の最寄りの供託所に供託することを要します。
4:保管替えができるのは、金銭のみをもって供託しているときに限られます。
【宅建過去問 平成26年-問30】宅建業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.宅建業者Aは、新築分譲マンションを建築工事の完了前に販売しようとする場合、建築基準法第6条第1項の確認を受ける前において、当該マンションの売買契約の締結をすることはできないが、当該販売に関する広告をすることはできる。
2.宅建業者Aは、宅地の売買に関する広告をするに当たり、当該宅地の形質について、実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させる表示をした場合、当該宅地に関する注文がなく、売買が成立しなかったときであっても、監督処分及び罰則の対象となる。
3.宅建業者Aは、宅地又は建物の売買に関する広告をする際に取引態様の別を明示した場合、当該広告を見た者から売買に関する注文を受けたときは、改めて取引態様の別を明示する必要はない。
4.宅建業者Aは、一団の宅地の販売について、数回に分けて広告をするときは、最初に行う広告以外は、取引態様の別を明示する必要はない。
⇒正解(2)
1:販売の広告も契約も不可(貸借なら契約は可)。
2:誇大広告を行えば、結果に関係なく監督処分や罰則の対象です。
3:取引態様の別は、広告時と契約時に明示することを要します。
4:取引態様の別は、広告を複数に分けるときはその都度明示することを要します。
【宅建過去問 平成26年-問31】宅建業者Aが、自ら売主として宅建業者ではない買主Bとの間で宅地の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
ア 宅建業者Aに契約不適合責任を追及するための通知期間を売買契約に係る宅地の引渡しの日から3年間とする特約は、無効である。
イ 宅建業者Aは、Bに売却予定の宅地の一部に甲市所有の旧道路敷が含まれていることが判明したため、甲市に払下げを申請中である。この場合、Aは、重要事項説明書に払下申請書の写しを添付し、その旨をBに説明すれば、売買契約を締結することができる。
ウ 「手付放棄による契約の解除は、契約締結後30日以内に限る」旨の特約を定めた場合、契約締結後30日を経過したときは、宅建業者Aが契約の履行に着手していなかったとしても、Bは、手付を放棄して契約の解除をすることができない。
⇒正解(3) 全て誤り
ア:契約不適合責任の通知期間を引渡しから2年以上とする特約だけは、買主に不利であっても有効となります。
イ:他人物売買に該当し、その旨を説明しても売買契約を締結することはできません。
ウ:買主に不利な特約として無効なので、Bは特約に関係なく手付を放棄して契約を解除することができます。
【宅建過去問 平成26年-問32】宅建業者Aは、BからB所有の宅地の売却について媒介の依頼を受けた。この場合における次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
ア 宅建業者AがBとの間で専任媒介契約を締結し、Bから「売却を秘密にしておきたいので指定流通機構への登録をしないでほしい」旨の申出があった場合、Aは、そのことを理由に登録をしなかったとしても法に違反しない。
イ 宅建業者AがBとの間で媒介契約を締結した場合、Aは、Bに対して遅滞なく宅建業法第34条の2第1項の規定に基づく書面を交付しなければならないが、Bが宅建業者であるときは、当該書面の交付を省略することができる。
ウ 宅建業者AがBとの間で有効期間を3月とする専任媒介契約を締結した場合、期間満了前にBから当該契約の更新をしない旨の申出がない限り、当該期間は自動的に更新される。
エ 宅建業者AがBとの間で一般媒介契約(専任媒介契約でない媒介契約)を締結し、当該媒介契約において、重ねて依頼する他の宅建業者を明示する義務がある場合、Aは、Bが明示していない他の宅建業者の媒介又は代理によって売買の契約を成立させたときの措置を宅建業法第34条の2第1項の規定に基づく書面に記載しなければならない。
⇒正解(3) 誤りはアイウ
ア:専任媒介契約で指定流通機構への登録は必須(一般媒介は任意)で、相手方からの申出があっても省略することはできません。
イ:相手方が宅建業者でも媒介契約書面の交付を省略することはできません。
ウ:専任媒介契約が自動的に更新されることはありません(一般媒介は自動更新可)。
【宅建過去問 平成26年-問33】宅建業者Aが、自ら売主として買主との間で建築工事完了前の建物を5,000万円で売買する契約をした場合において、宅建業法第41条第1項に規定する手付金等の保全措置(以下この問において「保全措置」という。)に関する次の記述のうち、宅建業法に違反するものはどれか。
1.宅建業者Aは、宅建業者であるBと契約を締結し、保全措置を講じずに、Bから手付金として1,000万円を受領した。
2.宅建業者Aは、宅建業者でないCと契約を締結し、保全措置を講じた上でCから1,000万円の手付金を受領した。
3.宅建業者Aは、宅建業者でないDと契約を締結し、保全措置を講じることなくDから手付金100万円を受領した後、500万円の保全措置を講じた上で中間金500万円を受領した。
4.宅建業者Aは、宅建業者でないEと契約を締結し、Eから手付金100万円と中間金500万円を受領したが、既に当該建物についてAからEへの所有権移転の登記を完了していたため、保全措置を講じなかった。
⇒正解(3)
1:宅建業者間で手付金額に上限はなく、保全措置は必要ありません。
2:代金の5%を超えていますが、保全措置を講じて受領しているので問題ありません。
3:手付金100万円の時点で保全措置は不要ですが、中間金500万円を受領する際には、手付金と中間金の合計600万円について保全措置が必要です。
4:所有権移転登記が完了していれば保全措置は不要です。
【宅建過去問 平成26年-問34】宅建業者が行う宅建業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の売主に耐震診断の記録の有無を照会したにもかかわらず、当該有無が判別しないときは、自ら耐震診断を実施し、その結果を説明する必要がある。
2.建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が津波防災地域づくりに関する法律第23条第1項の規定に基づく津波防護施設区域に位置しているときはその旨を説明する必要があるが、同法第53条第1項の規定に基づく津波災害警戒区域に位置しているときであってもその旨は説明する必要はない。
3.建物の売買の媒介を行う場合、売主が特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託を行うときは、その措置の概要を説明する必要があるが、当該建物の不適合を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結を行うときは、その措置の概要を説明する必要はない。
4.区分所有権の目的である建物の貸借の媒介を行う場合、その専有部分の用途その他の利用制限に関する規約の定めがあるときはその内容を説明する必要があるが、1棟の建物又はその敷地の専用使用権に関する規約の定めについては説明する必要がない。
⇒正解(4) 正解肢がやや細かいですが、123番が明らかに誤りなので消去法で取れる問題。
1:昭和56年5月31日以前着工の建物について耐震診断の内容を説明する必要がありますが、耐震診断を受けていないのであれば自ら実施して説明する義務まではありません。
2:津波防護施設区域内にある旨は貸借以外で説明を要し、津波災害警戒区域内にある旨は全契約で説明を要します。
3:契約不適合責任の履行に関する措置として供託か保険か、その概要を説明することを要します。
4:専用使用権に関する規約の内容を説明する必要はありません。
【宅建過去問 平成26年-問35】宅建業法第35条に規定する重要事項の説明及び同条の規定により交付すべき書面(以下この問において「35条書面」という。)に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1.宅建業者は、買主の自宅で35条書面を交付して説明を行うことができる。
2.宅建業者は、中古マンションの売買を行う場合、抵当権が設定されているときは、契約日までにその登記が抹消される予定であっても、当該抵当権の内容について説明しなければならない。
3.宅建士は、宅建士証の有効期間が満了している場合、35条書面に記名押印することはできるが、取引の相手方に対し説明はできない。
4.宅建業者は、土地の割賦販売の媒介を行う場合、割賦販売価格のみならず、現金販売価格についても説明しなければならない。
⇒正解(3)
3:なぜ記名押印はすることができるのでしょうか…。
【宅建過去問 平成26年-問36】建物の貸借の媒介を行う宅建業者が、その取引の相手方に対して行った次の発言内容のうち、宅建業法の規定に違反しないものはどれか。なお、この問において「重要事項説明」とは宅建業法第35条の規定に基づく重要事項の説明をいい、「重要事項説明書」とは同条の規定により交付すべき書面をいうものとする。
1.重要事項説明のため、明日お宅にお伺いする当社の者は、宅建士ではありませんが、当社の最高責任者である代表取締役ですので、重要事項説明をする者として問題ございません。
2.この物件の契約条件につきましては、お手元のチラシに詳しく書いてありますので、重要事項説明は、内容が重複するため省略させていただきます。ただ、重要事項説明書の交付は、法律上の義務ですので、入居後、郵便受けに入れておきます。
3.この物件の担当である宅建士が急用のため対応できなくなりましたが、せっかくお越しいただきましたので、重要事項説明書にある宅建士欄を訂正の上、宅建士である私が記名押印をし、代わりに重要事項説明をさせていただきます。私の宅建士証をお見せします。
4.この物件は人気物件ですので、申込みをいただいた時点で契約成立とさせていただきます。後日、重要事項説明書を兼ねた契約書を送付いたしますので、署名押印の上、返送していただければ、手続は全て完了いたします。
⇒正解(3)
3:担当に関係なく宅建士であれば説明することができます。
【宅建過去問 平成26年-問37】宅建業者A及び宅建業者B(共に消費税課税事業者)が受け取る報酬に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 宅建業者Aが居住用建物の貸借の媒介をするに当たり、依頼者からの依頼に基づくことなく広告をした場合でも、その広告が貸借の契約の成立に寄与したとき、Aは、報酬とは別に、その広告料金に相当する額を請求できる。
イ 宅建業者Aは売主から代理の依頼を受け、宅建業者Bは買主から媒介の依頼を受けて、代金4,000万円の宅地の売買契約を成立させた場合、Aは売主から277万2,000円、Bは買主から138万6,000円の報酬をそれぞれ受けることができる。
ウ 宅建業者Aは貸主から、宅建業者Bは借主から、それぞれ媒介の依頼を受けて、共同して居住用建物の賃貸借契約を成立させた場合、貸主及び借主の承諾を得ていれば、Aは貸主から、Bは借主からそれぞれ借賃の1.1か月分の報酬を受けることができる。
⇒正解(4) 全て誤り。
ア:依頼者から特別の依頼がない広告費を請求することはできません。
イ:1つの取引に係わる報酬の限度額は同じで、4,000万×3%+6万=126万円+消費税の2倍でAB合わせて277万2,000円が限度。
ウ:居住用建物で承諾を得ているので、ABそれぞれ借賃1ヶ月分+消費税の受領が可能ですが、AB合計して1ヶ月分が上限となります。
【宅建過去問 平成26年-問38】宅建業者Aが、自ら売主として宅建業者でない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅建業法第37条の2の規定に基づき、いわゆるクーリング・オフによる契約の解除をする場合における次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.宅建業者Aは、喫茶店でBから買受けの申込みを受け、その際にクーリング・オフについて書面で告げた上で契約を締結した。その7日後にBから契約の解除の書面を受けた場合、Aは、代金全部の支払を受け、当該宅地をBに引き渡していても契約の解除を拒むことができない。
2.宅建業者Aは、Bが指定した喫茶店でBから買受けの申込みを受け、Bにクーリング・オフについて何も告げずに契約を締結し、7日が経過した。この場合、Bが指定した場所で契約を締結しているので、Aは、契約の解除を拒むことができる。
3.Bは、宅建業者Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、その3日後にAの事務所でクーリング・オフについて書面で告げられた上で契約を締結した。この場合、Aの事務所で契約を締結しているので、Bは、契約の解除をすることができない。
4.Bは、宅建業者Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、Aの事務所でクーリング・オフについて書面で告げられた上で契約を締結した。この書面の中で、クーリング・オフによる契約の解除ができる期間を14日間としていた場合、Bは、契約の締結の日から10日後であっても契約の解除をすることができる。
⇒正解(4)
1:買主が代金の全額を支払い引渡しも受けているので、Aは契約解除を拒むことができます。
2:自ら指定したことにより事務所等と扱われるのは自宅または勤務先に限られます。
3:モデルルームなど土地に定着していれば事務所等に該当しますが、仮設テント張りの案内所は土地に定着しているとは言えず、事務所等に該当しません。
4:告知日より8日とする原則より、買主にとって有利な特約は有効となります。
【宅建過去問 平成26年-問39】宅建業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.還付充当金の未納により保証協会の社員の地位を失った宅建業者は、その地位を失った日から2週間以内に弁済業務保証金を供託すれば、その地位を回復する。
2.保証協会は、その社員である宅建業者から弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その納付を受けた日から2週間以内に、その納付を受けた額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
3.保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対して、当該還付額に相当する額の還付充当金を保証協会に納付すべきことを通知しなければならない。
4.宅建業者が保証協会の社員となる前に、当該宅建業者に建物の貸借の媒介を依頼した者は、その取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有しない。
⇒正解(3)
1:1週間以内に営業保証金を供託しなければなりません。また、自動的に社員の地位が回復することもありません。
2:1週間以内に納付額に相当する弁済業務保証金を供託します。
4:建物貸借の媒介により生じた債権は、宅建業に関する取引に含まれ、弁済業務保証金から弁済を受けることができます。
【宅建過去問 平成26年-問40】宅建業者が行う業務に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において「37条書面」とは、同法第37条の規定により交付すべき書面をいうものとする。
ア 宅建業者は、自ら売主として宅建業者ではない買主との間で新築分譲住宅の売買契約を締結した場合において、契約不適合責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置について定めがあるときは、当該措置についても37条書面に記載しなければならない。
イ 宅建業者は、37条書面を交付するに当たり、宅建士をして、その書面に記名押印の上、その内容を説明させなければならない。
ウ 宅建業者は、自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合は、買主が宅建業者であっても、37条書面に当該宅地の引渡しの時期を記載しなければならない。
エ 宅建業者は、建物の売買の媒介において、当該建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは、その内容を37条書面に記載しなければならない。
⇒正解(3) 正しいのはアウエ
イ:37条書面の交付は宅建業者として行い従業者などでもよく、宅建士の説明義務もありません。
【宅建過去問 平成26年-問41】次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.宅建業者が、他の宅建業者が行う一団の宅地建物の分譲の代理又は媒介を、案内所を設置して行う場合で、その案内所が専任の宅建士を置くべき場所に該当しない場合は、当該案内所には、クーリング・オフ制度の適用がある旨を表示した標識を掲げなければならない。
2.宅建業者が、その従業者をして宅地の売買の勧誘を行わせたが、相手方が明確に買う意思がない旨を表明した場合、別の従業者をして、再度同じ相手方に勧誘を行わせることは法に違反しない。
3.宅建業者が、自ら売主となる宅地建物売買契約成立後、媒介を依頼した他の宅建業者へ報酬を支払うことを拒む行為は、不当な履行遅延(宅建業法第44条)に該当する。
4.宅建業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備えなければならないが、退職した従業者に関する事項は従業者名簿への記載の対象ではない。
⇒正解(1) やや細かめ問題。
1:宅建士設置義務の有無に関わらず案内所には標識を掲げる必要があり、標識の記載事項にクーリング・オフの適用がある旨も含まれます。
2:変わり身の術は通用しません。
3:宅建業法に規定する不当な履行遅延とは、宅地建物の登記、引渡し、取引対価の支払いを遅らせることをいいます。媒介を依頼した宅建業者への報酬支払拒否は「履行」の遅延とはなりません。
4:従業者名簿には、従業者でなくなった年月日まで記載します。
【宅建過去問 平成26年-問42】宅建業者Aが宅建業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものの組合せはどれか。
ア 宅建業者Aが売主として宅建業者Bの媒介により、土地付建物の売買契約を締結した場合、Bが37条書面を作成し、その宅建士をして当該書面に記名押印させれば、Aは、宅建士による37条書面への記名押印を省略することができる。
イ 宅建業者Aがその媒介により、事業用宅地の定期賃貸借契約を公正証書によって成立させた場合、当該公正証書とは別に37条書面を作成して交付するに当たって、宅建士をして記名押印させる必要はない。
ウ 宅建業者Aが売主としてCとの間で売買契約を成立させた場合(Cは自宅を売却して購入代金に充てる予定である。)、AC間の売買契約に「Cは、自宅を一定の金額以上で売却できなかった場合、本件売買契約を無条件で解除できる」旨の定めがあるときは、Aは、37条書面にその内容を記載しなければならない。
⇒正解(1)誤っているものはアイ
ア:宅建業者Aも売主として37条書面を作成し、宅建士の記名押印が必要です。
イ:37条書面への宅建士の記名押印について、公正証書なら不要となるという例外はありません。
ウ:契約解除に関する定めがあるとき(=任意的)は37条書面の記載事項です。
【宅建過去問 平成26年-問43】宅建業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅建業法の規定に違反しないものはどれか。
1.宅建業者Aは、買主Bとの間で建物の売買契約を締結する当日、Bが手付金を一部しか用意できなかったため、やむを得ず、残りの手付金を複数回に分けてBから受領することとし、契約の締結を誘引した。
2.宅建業者Aの従業者は、投資用マンションの販売において、相手方に事前の連絡をしないまま自宅を訪問し、その際、勧誘に先立って、業者名、自己の氏名、契約締結の勧誘が目的である旨を告げた上で勧誘を行った。
3.宅建業者Aの従業者は、マンション建設に必要な甲土地の買受けに当たり、甲土地の所有者に対し、電話により売買の勧誘を行った。その際、売却の意思は一切ない旨を告げられたが、その翌日、再度の勧誘を行った。
4.宅建業者Aの従業者は、宅地の売買を勧誘する際、相手方に対して「近所に幹線道路の建設計画があるため、この土地は将来的に確実に値上がりする」と説明したが、実際には当該建設計画は存在せず、当該従業者の思い込みであったことが判明した。
⇒正解(2)
1:手付金について貸付けその他(後払い、分割払い)信用の供与により契約締結を誘引する行為は宅建業法に違反します。
2:勧誘前に告げているので事前連絡はなくても違反ではありません。
3:しつこいのはアウトです。
4:適当な断定はアウトです。
【宅建過去問 平成26年-問44】宅建業法の規定に基づく監督処分に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア 宅建業者A(甲県知事免許)が乙県内において宅建業法第32条違反となる広告を行った。この場合、乙県知事から業務停止の処分を受けることがある。
イ 宅建業者B(甲県知事免許)は、宅建業法第50条第2項の届出をし、乙県内にマンション分譲の案内所を設置して業務を行っていたが、当該案内所について宅建業法第15条第3項に違反している事実が判明した。この場合、乙県知事から指示処分を受けることがある。
ウ 宅建業者C(甲県知事免許)の事務所の所在地を確知できないため、甲県知事は確知できない旨を公告した。この場合、その公告の日から30日以内にCから申出がなければ、甲県知事は宅建業法第67条第1項により免許を取り消すことができる。
エ 宅建業者D(国土交通大臣免許)は、甲県知事から業務停止の処分を受けた。この場合、Dが当該処分に違反したとしても、国土交通大臣から免許を取り消されることはない。
⇒正解(1) 誤りはエのみ
アイエ:指示処分と業務停止処分は、業務地の知事も行うことができます(免許取消処分は免許権者のみ)。
ウ:宅建業者の事務所が確知できない旨を公告し、公告日から30日を経過しても申出がないときに免許を取り消すことができます。
【宅建過去問 平成26年-問45】特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(令和2年の法改正により「瑕疵」→「不適合」となりましたが、当規定では瑕疵の定義を明記することで瑕疵という文言が存置されています)
1.自ら売主として新築住宅を宅建業者でない買主に引き渡した宅建業者は、基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について届出をしなければ、当該基準日から起算して50日を経過した日以後、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結してはならない。
2.宅建業者は、自ら売主として新築住宅を販売する場合だけでなく、新築住宅の売買の媒介をする場合においても、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。
3.住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅の買主が保険料を支払うことを約し、住宅瑕疵担保責任保険法人と締結する保険契約である。
4.自ら売主として新築住宅を販売する宅建業者は、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をする場合、当該新築住宅の売買契約を締結するまでに、当該新築住宅の買主に対し、当該供託をしている供託所の所在地、供託所の表示等について記載した書面を交付して説明しなければならない。
⇒正解(4) 住宅瑕疵担保履行法も重要箇所は出尽くした感がありますので、過去問をしっかり押さえておきましょう。
1:基準日から起算して50日ではなく、基準日の翌日から起算して50日です。
2:資力確保措置が必要なのは、宅建業者自らが新築住宅の売主となる場合だけです。
3:新築住宅の買主ではなく、宅建業者が保険料を支払います。
【宅建過去問 平成26年-問46】独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.機構は、地震に対する安全性の向上を主たる目的とする住宅の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。
2.機構は、証券化支援事業(買取型)において、住宅の改良に必要な資金の貸付けに係る貸付債権について、住宅の購入に付随するものであるか否かにかかわらず、譲受けの対象としている。
3.機構は、高齢者の家庭に適した良好な居住性能及び居住環境を有する住宅とすることを主たる目的とする住宅の改良(高齢者が自ら居住する住宅について行うものに限る。)に必要な資金の貸付けを業務として行っている。
4.機構は、市街地の土地の合理的な利用に寄与する一定の建築物の建設に必要な資金の貸付けを業務として行っている。
⇒正解(2)
2:住宅の購入に付随する土地に限られます。
【宅建過去問 平成26年-問47】宅建業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
1.建築基準法第28条(居室の採光及び換気)の規定に適合した採光及び換気のための窓等がなくても、居室として利用できる程度の広さがあれば、広告において居室として表示できる。
2.新築分譲マンションの販売広告において、住戸により修繕積立金の額が異なる場合であって、全ての住戸の修繕積立金を示すことが困難であるときは、全住戸の平均額のみ表示すればよい。
3.私道負担部分が含まれている新築住宅を販売する際、私道負担の面積が全体の5%以下であれば、私道負担部分がある旨を表示すれば足り、その面積までは表示する必要はない。
4.建築工事に着手した後に、その工事を相当の期間にわたり中断していた新築分譲マンションについては、建築工事に着手した時期及び中断していた期間を明瞭に表示しなければならない。
⇒正解(4) 例年より細かめ不当景表法。
1:居室の要件を満たさなければ納戸です。
2:平均額ではなく、最低額と最高額を表示します。
3:新築分譲住宅では私道負担面積も表示します。
4:新築住宅の工事が相当期間中断していたときは、その旨を表示します。
【宅建過去問 平成26年-問48】宅地建物の統計等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.平成24年度法人企業統計年報(平成25年9月公表)によれば、平成24年度における不動産業の売上高は約32兆7,000億円と対前年度比で8.5%減少し、3年連続で減少した。
2.建築着工統計(平成26年1月公表)によれば、平成25年の新設住宅着工戸数は持家、分譲住宅ともに前年に比べ増加したが、貸家は3年ぶりに減少した。
3.平成26年版土地白書(平成26年6月公表)によれば、土地取引について、売買による所有権の移転登記の件数でその動向を見ると、平成25年の全国の土地取引件数は128.1万件となり、前年に比べ減少した。
4.平成26年地価公示(平成26年3月公表)によれば、平成25年の1年間の地価変動率は、全国平均で見ると全ての用途で前年に引き続き下落したが、地方平均で見ると商業地については上昇に転じた。
⇒正解(1) 統計問題は最新の情報を覚えておいてください。
【宅建過去問 平成26年-問49】土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.旧河道は、地震や洪水などによる災害を受ける危険度が高い所である。
2.地盤の液状化は、地盤の条件と地震の揺れ方により、発生することがある。
3.沿岸地域は、津波や高潮などの被害を受けやすく、宅地の標高や避難経路を把握しておくことが必要である。
4.台地や丘陵の縁辺部は、豪雨などによる崖崩れに対しては、安全である。
⇒正解(4)
4:縁辺部は思い切り崖崩れが起きそうですね。しかし普段は安定しています。
【宅建過去問 平成26年-問50】建築物の構造と材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.鉄筋コンクリート構造におけるコンクリートのひび割れは、鉄筋の腐食に関係する。
2.モルタルは、一般に水、セメント及び砂利を練り混ぜたものである。
3.骨材とは、砂と砂利をいい、砂を細骨材、砂利を粗骨材と呼んでいる。
4.コンクリートは、水、セメント、砂及び砂利を混練したものである。
⇒正解(2)
2:モルタルとは砂利ではなく、砂とセメントを水で練ったものです。知りませんね。
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