宅建過去問:「媒介契約・代理契約」の重要過去問を見ていきます。宅建業者が売買・交換・貸借の媒介・代理を行う場合、宅建業者自身は取引の当事者とはならず、取引の手助けをするにすぎません。土地等を売りたい人、買いたい人などから依頼を受けて取引の手助けをするわけですが、そこにはどのような規制があるのでしょうか?尚、ここでは媒介と代理の違いを意識する必要はなく、媒介を代理に置き換えて問題ありません。
- 媒介契約の宅建過去問
■宅建業者AがBからB所有の土地付建物の売却の媒介を依頼され、これを承諾した場合、宅建業法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。(1984年の過去問 問-47)
【問】AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合、その有効期間は、2ヵ月と定めた場合には2ヵ月となるが、4ヵ月と定めた場合には3ヵ月となる。
専任媒介契約の有効期間は3ヵ月を超えることができず、これより長い期間を定めた場合は3ヵ月に短縮されます。よって正しい肢です。
【問】AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合、その有効期間の更新にはBの申出が必要であるが、Aがこれを承諾しないときは更新されない。
専任媒介契約の有効期間は、依頼者の申出によって更新することができますが、更新には当事者双方の合意が必要です(自動更新の特約も無効)。よって正しい肢です。
【問】AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合、Bは、その有効期間内においては、A以外の宅地建物取引業者に重ねて当該物件の売却の媒介を依頼することはできないが、代理を依頼することは差し支えない。
専任媒介契約は、他の業者に重ねて媒介・代理の依頼をすることができません。よって誤りとなります。
■次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。(1995年の過去問 問-40)
【問】宅建業者が宅地又は建物の売買又は交換の媒介契約を締結したときに依頼者に交付すべき書面には、その媒介契約が国土交通大臣の定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を記載しなければならない。
売買または交換の媒介契約(貸借の媒介は媒介契約書面不要)を締結した宅建業者は、遅滞なく一定事項を記載した書面を作成、交付(依頼者の承諾を得て電子交付も可)しなければなりません。記載事項には、媒介契約が国土交通大臣の定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別も含まれます。よって正しい肢です。
【問】宅建業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介に関する広告をするときは、当該宅地又は建物について、依頼者が他の宅建業者に重ねて売買又は交換の媒介を依頼することの許否を明示しなければならない。
一般媒介か専任媒介か等は広告に明示する必要はありません。よって誤りです。
【問】宅建業者は、専属専任媒介契約を締結したときは、売買又は交換の媒介の依頼の目的である宅地又は建物を、国土交通大臣が指定する者に当該契約の締結の日から7日以内(休業日を除く。)に登録しなければならない。
専属専任媒介契約を締結したときは、締結後5日以内(休業日除く)に指定流通機構(レインズ)に登録しなければなりません。7日とする本肢は誤りです。尚、レインズに登録したときは、その証する書面を依頼者に交付する必要があります(依頼者の承諾を得て電子交付も可)。
■宅建業者Aは、売主Bとの間で、宅地の売買の専任媒介契約を締結し、宅建業法第34条の2の規定に基づく媒介契約の内容を記載した書面(以下この問において「34条の2書面」という。)を交付した。この場合、同法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。(1997年の過去問 問-36)
【問】Aが、34条の2書面に記載した宅地を売買すべき価額について意見を述べる場合は、その根拠を書面により明らかにしなければならない。
宅建業者が媒介契約書面の価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければなりませんが、書面による必要はありません。よって誤りです。根拠を明らかにしなかった場合は、業務停止処分を受けることがあります。
【問】Bが宅建業者である場合でも、Aは、34条の2書面に、Bが他の宅建業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置を記載しなければならない。
専任媒介契約では、依頼者が他の宅建業者に媒介・代理をさせて売買等の契約を成立させたときの措置を記載しなければなりません。宅建業者間取引でも同様で、正しい肢となります。
【問】Aが、宅建士でない従業者をして、Aの名で34条の2書面に記名押印させた場合、Aは、業務の停止などの監督処分を受けることがある。
媒介契約書面には宅建業者の記名押印が必要(2022年法改正により35条書面と37条書面には押印不要となりましたが、媒介契約書面には引き続き記名押印が必要な点に注意)ですが、宅建士でない従業者に行わせても問題ありません。よって誤りとなります。
■宅建業者Aが、Bの所有する宅地の売却の依頼を受け、Bと媒介契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。(1998年の過去問 問-45)
【問】媒介契約が専任媒介契約(専属専任媒介契約を除く。)である場合、Aは、契約の相手方を探索するため、契約締結の日から5日(休業日を除く。)以内に、当該宅地につき所定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。
専任媒介契約を締結したときは、締結後7日以内(休業日除く)に指定流通機構に登録しなければなりません。5日とする本肢は誤りです。
【問】媒介契約が専属専任媒介契約である場合で、当該契約に「Aは、Bに対し業務の処理状況を10日ごとに報告しなければならない」旨の特約を定めたとき、その特約は有効である。
専属専任媒介契約の場合、1週間に1回以上、業務処理状況を報告しなければなりません(申込があったときは、その都度、遅滞なく報告)。この規定よりも依頼者に不利な特約は無効です。よって誤りとなります。(専任媒介契約は2週間に1回以上)
■宅建業者Aが、Bから宅地の売却の依頼を受け、Bと専属専任媒介契約(以下この問において「媒介契約」という)を締結した場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。(1999年の過去問 問-37)
【問】宅地の買主の探索が容易で、指定流通機構への登録期間経過後短期間で売買契約を成立させることができると認められる場合には、Aは、契約の相手方を探索するため、当該宅地について指定流通機構に登録する必要はない。
探索が容易な場合でも指定流通機構への登録を省略することはできません。よって誤りです。
■宅建業者Aが、B所有建物の売買の媒介の依頼を受け、Bと一般媒介契約(専任媒介契約でない媒介契約)を締結した場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。(2000年の過去問 問-36)
【問】「Bが、A以外の宅地建物取引業者に重ねて売買の媒介の依頼をする際は、Aに通知しなければならない」旨の定めをしたときは、その定めは無効である。
一般媒介契約は他の宅建業者に重ねて媒介を依頼することができ、特約で、重ねて他の宅建業者を明示する明示型と明示しない非明示型に分けられます。本肢は明示型で、この特約は有効です。よって誤りです。
【問】BがAに対して支払う報酬に関する事項については、必ずしも宅建業法第34条の2の規定により依頼者に交付すべき書面に記載する必要はない。
宅建業者は、媒介契約書面に報酬に関する事項を記載しなければなりません。よって誤りです。
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