権利関係 胎児の権利能力 重要度 ★★★☆☆


今までは民法の全体像についてお話してきましたが、これより各条文の知識に入っていきたいと思います。前々ページでお話いたしましたが、封建的拘束から解放された結果、民法によって全ての人間に権利と義務の主体となりうる能力(権利能力)が認められました。

「その権利能力とは、胎児にも認められるのか?」

これがここでの論点です。近年難しくなってきている宅建試験では、十分に出題が予想される問題です。しかし簡単ですので、ここで覚えてしまってください。

結論といたしまして、自然人の権利能力は、「出生」により認められ、「死亡」によって終了いたします。ちなみに自然人とは普通の人間です。法人も権利能力の主体となりうることと区別して、法律の世界では、自然人と法人をあわせて「人」としています。

では、「出生」とはいつを意味するのでしょうか?民法では「生きて母体から完全に分離したとき」としています。全ての身体が出た瞬間に初めて「人」として認められるのです(刑法上は殺人の対象となりうるため一部でも母体から出れば人として認められます)。つまり、実際に姿を現して初めて権利能力が認められるわけです。

しかし、仮に母親の妊娠中に父親が死亡してしまった場合…。生まれてくることが分かっているのに、少し生まれる時期が遅かったために相続ができないというのは不公平です。また、母親の妊娠中に父親が誰かに殺された…。権利能力が認められず、将来的にも加害者に損害賠償請求ができないというのは理不尽です。そこで民法は、胎児にも3つの特別な権利を与えました。

1.
相続
2.
遺贈
3.
不法行為に対する損害賠償請求

この3つについては、胎児も生まれたことと「みなされる」ことになりました。

条文の末尾が「みなす」で終わる場合と「推定する」の場合がありますが、この違いは注意してください。引っかけ問題で出題されます。「みなす」の場合は
反証を挙げても覆りませんが、「推定する」の場合は、反証を挙げれば覆すことができます

ではここでは、権利能力の取得時期と、胎児にも認められる3つの権利を必ず覚えておいてください。

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