宅地建物取引士 重要度 ★★★★★


今回は「宅地建物取引士」についてお話します。

皆さんが目指している資格ですね。
宅建試験に合格しただけでは「宅地建物取引士資格試験合格者」にすぎません。

では、どうすれば宅地建物取引士になれるのか、宅地建物取引士の仕事とは、
宅地建物取引士の登録基準は、などなど、順番に見ていきましょう。

覚えることが満載ですが、全てがとっても重要です。しかし難しいところはないので、
きちんと整理して、しっかりと覚えていってください。


宅地建物取引士と打つのは疲れるので、
以下タイトル以外は「取引士」とさせていただきます。

流れとしましては、
宅建試験に合格 → 都道府県知事の登録 → 取引士証の交付 となります。

では、行きます!!



宅地建物取引士資格試験

まずは宅建試験に合格しないと話になりません。
ここで覚えていただきたいのは以下の2点だけです。

・ 不正手段によって試験を受けた者は、
合格を取り消されることがある!

・ 不正手段によって試験を受けようとした者に対し、都道府県知事は、
3年以内の期間を定めて
  受験を禁止することができる!



宅地建物取引士資格登録

宅建試験に合格し、登録の基準を満たす者は、宅建試験に
合格した場所の都道府県知事
に対して取引士登録の申請を行います。しかし、この取引士登録にも条件があります。

1.
2年以上の実務経験を有している
2.
国土交通大臣が指定する実務講習を受講し修了している

このどちらかを満たしていないと取引士登録はできません。2番ですが、「登録を受けようとする者
が合格した試験を行った都道府県知事が指定する講習」という引っかけ問題がよく出題されますが
国土交通大臣が指定する講習ですのでご注意ください。


そして都道府県知事が、一定事項を「宅地建物取引士資格登録簿」に登載すること
により、取引士登録が行われます。

この取引士登録の効力は
全国に及び、登録の消除を受けない限り、一生有効となります。



登録基準

次の10項目に該当する者は、宅建試験に合格しても取引士登録を受けることができません。
宅建業者の免許基準と似ていますが、免許基準にはない登録基準特有の基準は重要です。
全部を覚えるのは大変ですが、最低限7.8.9.10番は必ず押さえておいてください。
1〜6番は免許基準と同じです。


1.成年被後見人、被保佐人、復権を得ていない破産者

2.禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成などに
  より刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

3.一定の罰金刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成などに
  より刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

  一定の罰金刑:宅建業法違反、暴行罪、脅迫罪、傷害罪、背任罪、
  暴力団員による不当な行為の防止に関する法律違反など

4.不正手段による免許取得、業務停止処分に違反するとして免許を取り消され、取消
  しの日から5年を経過していない者(法人の場合、免許取消処分の聴聞の公示日前
  60日以内にその法人の役員であった者)

5.上記4番に該当するとして免許取消処分の聴聞の公示がなされ、公示の日から処分
  決定までの間に廃業の届出をし、その届出から5年を経過していない者

6.上記5番の期間内に合併により消滅した法人、または解散・廃業の届出をした法人
  の、聴聞の公示日前60日以内に役員であった者で、その消滅または届出から5年を
  経過していない者

7.宅建業の営業に関し、
成年者と同一の行為能力を有しない未成年者

8.不正登録等の理由で登録の消除処分を受け、その処分から
5年を経過していない者

9.不正登録等に該当するとして登録の消除処分の聴聞の公示がなされ、公示の日から
  処分決定までの間に登録消除の申請をし、その登録消除から
5年を経過していない者

10.事務禁止処分を受け、その禁止期間中に本人の申請により登録の消除がなされ、
  まだ
禁止期間が満了していない者


7番ですが、免許基準の場合は、成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であっても、
法定代理人が欠格事由に該当していなければOKでしたよね。ここ、要注意です。

8,9番と10番の違いですが、事務禁止処分を受け、自ら申請して登録を消除した場合は
事務禁止期間中のみダメ、それがバレて登録消除処分を受けた場合は、処分から5年もダメ、
というわけです。



登録の移転

取引士登録を受けている者が、
登録先以外の都道府県にある宅建業者に従事しようと
する場合は、登録の移転を行うことができます。できるのであって強制ではありません。

「登録の移転を行わなければならない」という引っかけ問題に注意です。

この登録の移転は、
現に登録を受けている都道府県知事を経由して行うということは覚えて
おいてください。また、事務禁止処分を受けている取引士は、その
禁止期間が満了するまで
登録の移転ができないということも重要です。



変更の登録

登録を受けている取引主任者は、宅地建物取引士資格登録簿の記載事項のうち、

1.
氏名
2.
本籍・住所
3.勤務先の宅建業者の
商号・名称
4.勤務先の宅建業者の
免許証番号

に変更があった場合、遅滞なく変更の登録を申請しなければなりません
登録の移転と違い、こちらは義務です。

つまり、登録を受けている取引士が引越しをした場合、登録の移転は必要ありませんが、
変更の登録は必要ということです。

登録の移転ができるのは「勤務先」が変わった場合のみということです。


鋭い方は気づいたかもしれませんが、これらとよく似た規定を「免許証の効力」で既に勉強していま
すよね?そうです、登録の移転は「免許換え」、変更の登録は「変更の届出」に対応しています。
しっかりと区別しておいてください。



死亡等の届出

登録を受けている取引士が死亡した場合や、登録基準でお話した10項目に該当して
しまった場合は、登録を消除するための届出をしなければなりません。

ここで注意していただきたいのは、誰がその届出をするのかです。

死亡 →
相続人
成年被後見人となった →
成年後見人
被保佐人となった →
保佐人
その他(破産など)→
本人

この届出は、登録消除理由に該当した日から
30日以内に行う必要があります。
しかし、死亡の場合だけは「
相続人が死亡を知った日」から30日以内となります。

また、これらの届出がないときでも、本人から登録消除の申請があった場合や、本人の
死亡が判明した場合などは、都道府県知事は自ら登録の消除をしなければなりません



取引士証

取引士登録を受けている者は、その
登録している都道府県知事に対して取引士証の
交付を申請することができます。取引士証とは、自分が取引士であることを証明する
身分証明書であり、取引士として仕事をするときは常に携帯しておく必要があります。

取引士の仕事とは、以下の3つです。

1.重要事項の説明
2.重要事項の説明書面(35条書面)への記名押印
3.37条書面への記名押印

詳しくは後述しますが、取引関係者から請求があったときは取引士証を必ず提示し、
また、重要事項の説明の際には請求がなくても提示しておく必要があります。


取引士証を交付してもらうには、
申請前6ヶ月以内に「登録をしている都道府県知事が
国土交通大臣省令の定めるところにより指定する講習
」(法定講習)を受講する必要があり
ます。しかし、次の場合にはこの講習が免除されます。

1.
宅建試験合格から1年以内
2.
登録の移転での交付(前の取引士証と引換え)

これで晴れて取引士となります。
取引士証の有効期間は
5年間となります。



取引士証の返納・提出・書換え・引換え

1.返納

取引士は、登録を消除された場合取引士証が効力を失った場合(※)は、
その交付を受けた都道府県知事に取引士証を「
返納」しなければなりません。

※ 失くしたと思って再交付を受けた後に見つかった前の取引士証など


2.提出

取引士は、事務禁止処分を受けた場合、その交付を受けた都道府県知事に取引士証を
提出」しなければなりません。

事務禁止期間が満了すれば、
返還請求をすることにより返還されます。


3.書換え

取引士は、氏名または住所に変更があった場合、「変更の登録」の申請とともに
取引士証の「
書換え交付」を申請しなければなりません。


4.引換え

取引士は、登録先以外の都道府県で従事するため「登録の移転」の申請を行った場合
取引士証の「
引換え交付」を申請しなければなりません。

ここは少し注意で、2番の返還や3番とは違い、新たな取引士証を交付してもらうこと
になります。もちろん前の取引士証は効力を失いますが、新しい取引士証の有効期間は、
前の取引士証の有効期間の
残りの期間であるという点にご注意ください。

新しい取引士証の交付といいましても、上でさり気なく触れましたが、
法定講習を受ける必要はありませんので、これも覚えておいてください。




かなり長くなってしまいましたね…お疲れさまでした。

しかし単純な知識ばかりで難しくはないと思いますので、
パパッと何度か読み返して確実にマスターしておいてください!


宅建業者の「免許」と宅地建物取引士の「登録」の違いはものすごく重要です。
引っかけ問題の宝庫です。

下に一覧表でまとめておきますので、そちらも参考にしてください。



[ 平成元年 問41 ]
 登録に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.破産者は、復権後5年を経過しないと、登録を受けることができない。

2.執行猶予つきの懲役の刑に処せられた者は、執行猶予期間満了の日から5年を経過しないと、登録を受けることができない。

3.未成年者は、成人に達しないと、登録を受けることができない。

4.不正の手段により宅地建物取引業の免許を取得したとして、その免許を取り消された者は、当該免許取消しの日から5年を経過しないと、登録を受けることができない。



1 誤
:復権すればただちに登録可
2 誤:執行猶予期間が満了すればただちに登録可
3 誤:営業に関し成年者と同一の能力を有する未成年者は登録可
4 正



[ 平成10年 問44 ]
 Aが、甲県知事の宅地建物取引主任者資格登録(以下この問において「登録」という。)を受けている場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、B社及びC社は、いずれも宅地建物取引業者である。

1.Aが、乙県に自宅を購入し、甲県から住所を移転した場合、Aは、遅滞なく、甲県知事を経由して乙県知事に登録の移転を申請しなければならない。

2.Aが、乙県に自宅を購入し、甲県から住所を移転した場合、Aは、30日以内に、甲県知事に変更の登録を申請しなければならない。

3.Aが、甲県に所在するB社の事務所に従事していたが、転職して乙県に所在するC社の事務所で業務に従事した場合、Aは、30日以内に、甲県知事を経由して乙県知事に登録の移転を申請しなければならない。

4.Aが、甲県に所在するB社の事務所に従事していたが、転職して乙県に所在するC社の事務所で業務に従事した場合、Aは、遅滞なく、甲県知事に変更の登録を申請しなければならない。



1 誤
:住所が変わっただけでは登録の移転はできず、更に義務でもない
2 誤:遅滞なく変更の登録を要するが、30日以内という制限はない
3 誤:登録の移転ができるのであって、義務ではない
4 正:勤務先の宅建業者が変わった場合は、遅滞なく変更の登録が必要



[ 昭和63年 問47 ]
 宅地建物取引取引士証(以下この問において「取引士証」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.登録を受けている者は、登録をしている都道府県知事に対してのみ、取引士証の交付申請をすることができる。

2.宅地建物取引士が登録の移転を申請しようとするときは、登録移転申請書に、現に受けている取引士証を添付しなければならない。

3.宅地建物取引士資格試験に合格した日から1年以内に取引士証の交付を受けようとする者は、都道府県知事が指定する講習を受けなくてもよい。

4.宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、取引士証を提示しなければならない。



1 正

2 誤:実際に登録が移転され、新しい取引士証と現に有する取引士証とを「引換え」る
3 正
4 正:重要事項の説明の際には請求がなくても提示しておくという点にも注意




< 免許と登録の比較一覧表 >


宅建業者 宅地建物取引士
免許権者
2以上の都道府県→国土交通大臣
1つの都道府県→
都道府県知事
合格した場所の都道府県知事
登録権者
免許の効力
全国に及び、有効期間は5年
全国に及び、消除されないかぎり
一生有効(取引士証は
5年
登録の効力
免許換え
2県→1県:残存する県の知事免許
1県→2県:国土交通大臣免許
廃止→新たに設置:新設置県の知事免許

国土交通大臣→
主たる事務所の知事経由
知事免許→新知事に
直接申請

新免許の有効期間は
5年
登録先の都道府県以外で業務に従事
しようとする場合に
申請可

現に登録を受けている知事経由


前の取引士証と
引換えで新取引士証の
交付を受け、前の取引士証は効力を失う

新取引士証の有効期間は旧取引士証の
残りの期間
登録の移転
変更の届出 宅建業者が、免許権者へ、
変更後
30日以内に届け出る

1.
商号・名称
2.
事務所の名称・所在地
3.役員および政令の使用人の氏名(法人)
4.業者および政令の使用人の氏名(個人)
5.
専任の取引士の氏名
取引士が、登録権者へ、
変更後遅滞なく登録する

1.
氏名
2.
本籍
3.
住所
4.
宅建業者の商号・名称
5.
宅建業者の免許証番号
変更の登録
廃業等の届出 次の者が、免許権者へ、
その事実から
30日以内に届け出る
(死亡の場合は相続人が
知った日から30日

1.死亡→
相続人
2.合併→
消滅会社の代表役員
3.破産→
破産管財人
4.解散→清算人
5.廃業→業者(個人)、代表役員(法人)
次の者が、登録権者へ、
その事実から30日以内に届け出る
(死亡の場合は相続人が
知った日から30日

1.死亡→
相続人
2.成年被後見人→
成年後見人
3.被保佐人→
保佐人
4.その他(破産や処罰など)→
本人
死亡等の届出



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