免許の申請と免許の基準 重要度 ★★★★★


宅建業を営むためには、宅建業の「免許」が必要です。

では、この免許は「誰から」受けるのでしょうか?

また、誰でもカレでも免許を受けることができたら大変です。
宅建業者として「ふさわしくない者」とはどのような者でしょうか?(免許基準)

特に免許基準は毎年のように出題されますので、絶対にしっかりとマスターしておいてください。

逆に言えば、毎年出題されているだけあって、出題がパターン化されています。
過去に出題された事項を覚えておけば、とっても簡単です。


では、順番に見ていきましょう!



免許の申請

宅建業者は、
都道府県知事または国土交通大臣に対して免許の申請を行います。

都道府県知事または国土交通大臣のいずれかが、宅建業の免許を与えるのです。

この免許を与える者を
「免許権者」といいます。
この呼び名はよく出てきますので覚えておいてください。

では、これから宅建業者になろうとする者は、どちらの免許権者に免許の申請をすれば
良いのでしょうか?

これは、宅建業者が自由に選べるわけではありません。

「事務所の場所」によって決められます。


全ての事務所が
1つの都道府県内にある場合は、その都道府県知事の免許を受けます。
事務所が
複数の都道府県に存在する場合は、国土交通大臣の免許を受けます。


少し練習してみましょう。

A県に本店と支店がある→A県知事の免許
B県に本店と支店がある→B県知事の免許
A県に本店、B県に支店がある→国土交通大臣の免許

事務所の数も関係ありません。

A県に本店と、支店3つがある→A県知事の免許
A県に本店、B県とC県に支店がある→国土交通大臣の免許


すごく簡単ですね。
これが本試験で出題されたら、ラッキー!って感じで確実に得点してください。

また、この免許の申請で1つだけ注意点があります。

免許を申請するには、免許申請書というものを免許権者に提出するのですが、
国土交通大臣の免許を受ける場合には、この免許申請書を、
主たる事務所(本店)の所在地を管轄する都道府県知事を経由して提出するのです。

つまり、A県に本店、B県に支店がある場合は国土交通大臣の免許を受けますが、
国土交通大臣に免許申請書を提出する前に、A県知事にも見せろ、ということです。

これは本試験でよく出題されますので覚えておいてください。



免許の基準

量が多くて大変ですが、少しずつ、確実に、気合で覚えてしまってください。

思っているよりも簡単です。
丸暗記ではなく、常識的に「それはそうだ」と納得しながら覚えれば覚えやすいはずです。



1.成年被後見人、被保佐人、
復権を得ていない破産者


詳しくは下記10番でお話しますが、未成年者は宅建業者になれるという点に注意です。

破産者も、
復権を得れば「ただちに」免許を受けることができます。
復権から5年というひっかけ問題に注意してください。



2.禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成など
  により刑の執行を受けることがなくなった日から
5年を経過しない者



禁錮以上の刑とは、禁錮、懲役、死刑です。
死刑は死刑ですから、禁錮と懲役を覚えておいてください。
罰金は禁錮よりも軽いということも頭の隅に入れておいてください。

ここでの注意点は、執行猶予が付けられた場合は、
執行猶予期間が満了すればその翌日
から免許を受けることができるということ、控訴中・上告中も免許を受けることができるとい
うことです。



3.
一定の罰金刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成など
  により刑の執行を受けることがなくなった日から
5年を経過しない者


罰金刑で欠格事由に該当する犯罪としては、
宅建業法違反暴力団員による不当な行為
の防止に関する法律違反暴行罪脅迫罪傷害罪背任罪
を覚えておいてください。



4.免許申請前
5年以内に、宅建業に関して不正または著しく不当な行為をした者

無免許営業などを行っていた場合です。


5.
宅建業に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者

怖い系のお兄さんなどです。


6.
不正手段による免許取得、業務停止処分に違反するとして免許を取り消され、
  取消しの日から
5年を経過していない者



7.上記6番の者が法人の場合、免許取消処分の聴聞の期日、場所の公示日
60日以内
  にその法人の
役員であった者で、取消しの日から5年を経過していない者


ここで問われるのは「役員」の引っかけです。

役員とは主に
「常勤の取締役」「非常勤の取締役」を言いますが、その他、業務執行社員
や執行役、相談役など、会社に対して
実質的に強い支配力を持った者も含まれます。

単に専任の取引士や政令で定める使用人というだけでは役員に該当しません。


 *聴聞(ちょうもん)=処分を受ける者に釈明および証拠提出の機会を与える制度



8.上記6番に該当するとして
免許取消処分の聴聞の公示がなされ、公示の日から処分
  決定までの間に
解散または廃業の届出をし、その届出から5年を経過していない者


免許取消処分を免れるため、わざと解散・廃業するのを防ぐためです。

これは免許取消処分の公示が必要です。よく引っかけ問題で、免許権者から業務停止処分
について聴聞の期日および場所を・・・などという問題が出題されますが、業務停止処分の
公示を受けただけでは欠格事由に該当しません。



9.上記8番の期間内に合併により消滅した法人、または解散・廃業の届出をした法人
  の、聴聞の公示日前
60日以内に役員であった者で、その消滅または届出から5年
  を経過していない者


文章が長くて混乱しそうですが、要は8番が法人の場合で、その法人を実質動かしていた
役員がすぐに他で悪さをしないように、ということです。



10.
営業に関して成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、その法定代理人
   上記1〜9番のどれかに該当する場合



法定代理人から営業の許可を受けている未成年者を、「営業に関して成年者と同一の行為
能力を有する未成年者」と呼びます。この場合は単独で免許を受けることができます。

問題は営業の許可を受けていない未成年者ですが、この場合は、その法定代理人を基準
に判断する、というわけです。

また、平成24年度法改正により、
法人を未成年後見人に選任できるようになったため、
未成年者の法定代理人が法人の場合、その役員の中に欠格要件に該当する者がいるときは、
その未成年者は免許を受けることができなくなりました




11.法人で、その
役員または政令で定める使用人のうち、上記1〜9番のどれかに該当
   する者がいる場合



ここで鋭い方は、「あれ?7番と矛盾してる。政令で定める使用人はセーフでは?」と
思われるでしょう。ここは非常に間違えやすいところです。

つまり、不正を犯した政令の使用人を雇っていた法人は免許を受けることができず(11番)、
法人が不正を犯したが、その法人の政令で定める使用人に過ぎなかった者は免許を受ける
ことができる(7番)、というわけです。

ちなみに政令で定める使用人とは、宅建業者の事務所の代表者をいいます。
支店長さんなどですね。



12.個人で、政令で定める使用人のうち、上記1〜9番のどれかに該当する者がいる場合


法人ではなく個人業者でも、その事務所の代表者が不正を犯してはダメです。


13.決められた数の専任の取引主任者を置いていない者


詳しくは後述しますが、宅建業者は事務所ごとに、業務に従事する者5人に1人以上の
割合で、成年である専任の取引士を置かなければなりません。

この決まりを守っていない宅建業者は免許を受けることができません。


14.免許申請書の重要事項に虚偽の記載、または重要な事実の記載が欠けている場合




以上、1〜14番に該当する場合は免許を受けることができません。


これらに該当する場合、免許権者は、免許を与えることができない理由を書いた書面を、
宅建業者になろうと申請してきた者に対して通知することになります。



[ 昭和59年 問37 ]
 次のうち、宅地建物取引業の免許を受けることができない者はどれか。

1.公職選挙法違反により禁固1年、執行猶予1年の刑に処せられ、現在、執行猶予期間中である者

2.宅地建物取引業法違反により過料に処せられてから5年を経過しない者

3.営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者で、その法定代理人が禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わった日から5年を経過しない者

4.破産者で復権を得てから5年を経過しない者



1 できない
:禁錮以上の刑であるため、執行猶予満了まで不可
2 できる:宅建業法違反で免許を受けることができないのは罰金以上
3 できる:営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者は、未成年者本人が基準
4 できる:破産者は復権を得れば直ちに免許を受けることができる



[ 平成12年 問30 ]
 宅地建物取引業の免許(以下「免許」という)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.A社が,甲県に本店を,乙県に支店をそれぞれ有する場合で,乙県の支店のみで宅地建物取引業を営もうとするとき,A社は,乙県知事の免許を受けなければならない。

2.B社の政令で定める使用人が,かつて不正の手段により免許を受けたとして当該免許を取り消された場合で,その取消しの日から5年を経過していないとき,B社は,免許を受けることができない。

3.C社の取締役が,かつて破産手続開始の決定を受けたことがある場合で,復権を得てから5年を経過していないとき,C社は,免許を受けることができない。

4.D社が,免許の更新の申請を怠り,その有効期間が満了した場合は,D社は,遅滞なく,免許証を返納しなければならない。



1 誤
:支店で宅建業を営めば本店も事務所となるため、国土交通大臣の免許となる
2 正
3 誤:破産者は復権を得ればただちに免許を受けることができ、法人でも同じ
4 誤:そのような規定はない



【編集後記】-------------------------------------------------------------

14個もある免許基準を覚えるのは大変です。

要は、「成年被後見人、被保佐人、破産者」と「悪い人」(犯罪者)と「宅建業に関して
悪いことをした人」(免許を取り消された人)には免許を与えないということです。

大きく分けるとこの3パターンとなりますが、
本試験で出題されるポイントはズバリ、以下の3つです。

1.復権を得ていない破産者。復権を得ればすぐ免許を受けられる点に注意です。

2.一定の罰金刑を押さえておく=宅建業法違反、暴行罪、脅迫罪、傷害罪、背任罪
この5つは必ず押さえ、過失傷害罪などは免許を受けられますので引っかけに注意です。

3.不正手段による免許取得、情状が特に重い業務停止処分該当行為、業務停止処分違反、
この3つを理由に免許を取り消された場合は5年間免許を受けることができません。

この3点を頭に叩き込み、そこから派生するように他の基準も覚えていってみてください。
ただ漠然と暗記しようとするよりも覚えやすいはずです。



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