宅建アソシエイトの取得方法

宅建関連の新資格、2018年11月開始の宅建アソシエイトって何?取得方法や費用について解説。

宅建合格
宅建アソシエイト

平成28年の宅建業法改正によって『宅建業者を直接または間接の社員とする一般社団法人は、宅建士等がその職務に関し必要な知識及び能力を効果的かつ効率的に習得できるよう、法令、金融その他の多様な分野に係る体系的な研修を実施するよう努めなければならない』と定められました。宅建業務に関する学習を怠るな、という話です。

そこで初心者からベテランまで全ての宅建業従業者に学習の機会を提供するため、新たな宅建関連資格「宅建アソシエイト」が平成30年11月よりスタートしました。宅建士の上位資格である「宅建マイスター」の存在価値は少し微妙ですが、宅建アソシエイトは取る価値ありです。

宅建アソシエイトとは何なのか?どんな資格なのか見ていきます。

宅建アソシエイトって何?

宅建アソシエイトとは

宅建アソシエイトとは、簡単に言うと「宅建士になる前の準備段階の資格」で、宅建試験に合格していない宅建業従業者のための資格です。宅建試験合格者であれば新たに取得する必要はありません(禁止ではないので取得することは可能です)。

宅建士でなくても宅建業に何年も従事しているベテラン従業者でしたら特に不要ですが、ちょっとかっこいいカード認定証を首から下げたり、名刺に【宅建アソシエイト】と新たな肩書を表示することができます。

「宅建アソシエイト資格の制定趣旨」から考えると、宅建士もベテラン従業者も取得するべき資格かもしれませんが、実情としては不動産業界に就職したけど宅建資格を持っていない方、既に宅建業に従事しつつ宅建試験を受けているけどまだ合格していない方などが対象となる資格です。「とりあえず」宅建アソシエイト資格を所持しておき、そこから宅建士を目指すこととなります。

宅建業に従事する者は、ほぼ全員が「宅建士」または「宅建アソシエイト」となる日が来るかもしれません

年に一度しかない合格率15%の宅建試験・・仕事と勉強を両立させながらの合格はなかなか高いハードルと言えます。不動産屋で働いているのに忙しくて勉強時間が足りない方も多いでしょう。もしも落ちたらまた1年後・・士業試験となり年々難易度が上がっている宅建試験の救済措置が必要です。よって手間と費用はかかりますが、宅建アソシエイトは、宅建資格よりもはるかに簡単に取得することができます


宅建アソシエイトにできること

宅建アソシエイトは、宅建業の仲介等において一人でも物件の現地案内ができるなど、十分な能力を有する者であると認定されます。従業者証明書だけの従業者より、宅建アソシエイト認定証を持っている宅建アソシエイトの方がお客さんも安心できそうですね。その宅建業者、不動産屋の信頼も上がりそうです。


宅建アソシエイト取得の流れや費用

1.全宅連や不動産流通推進センター等が行う初任従業者研修過程を受講する(8,000円
2.不動産流通推進センター等の各団体による自主研修を受講する
3.宅建業法に基づく登録講習を受講する (15,000~20,000円前後
4.不動産流通推進センターが実施する修了過程を受講する(4,800円
→ 不動産流通推進センターより宅建アソシエイトと認定され、認定証明書が発行される

宅建アソシエイト取得ステップの詳細

「第1ステップ:初任研修等」→ 全宅連の不動産キャリアパーソン、全日のステップ・アップ・トレーニング、推進センターの不動産基礎研修等の初任従業者研修課程を受講することにより、不動産業に従事するにあたり必要な基礎的かつ実務的な知識を習得する。

「第2ステップ:自主研修等」→ 各団体による自主研修、OJT、推進センターのスコアコンパクト版等を受講し、宅建業の実務経験2~3年に相当する実務的な知識を習得する。

「第3ステップ:登録講習」→ 宅建業法に基づく登録講習を受講することにより、宅建従事者として十分な能力を有するために必要な法的知識等を習得する。

「第4ステップ:修了課程」→ 推進センターが実施する修了課程を受講することにより、コンプライアンス、インスペクション、瑕疵担保責任保険等の基礎知識を習得する。

推進センターがステップ修了者を「宅建アソシエイト」として認定し、認定証明書を発行する。

宅建アソシエイト資格の取得過程で面倒な登録講習を受講でき(3番)、これで宅建試験の5点が免除されるのは大きなメリットと言えるでしょう。1番から順番に受講していくことになりますが、4月期8月期12月期など、スタートが年に数回あり、スタート時期も団体(※)により異なります。詳しくは不動産流通推進センターのサイトをご覧になってみてください。

宅建アソシエイト事業者団体(※):全国住宅産業協会(全住協)、全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)、不動産協会(不動協)、不動産流通経営協会(FRK)


宅建アソシエイト認定証

宅建アソシエイトに認定されると「宅建アソシエイト認定証(カードタイプ)」が送られ、認定者は名刺に「宅建アソシエイト」と表示することが認められます。宅建アソシエイト認定証の有効期限は5年間となり、下記の取扱規程があります。

1.認定証は、案内等の接客時は提示すること
2.常に携帯し、取引関係者から請求があったときは提示すること
3.他人に貸与し、または譲渡してはならない

宅建アソシエイト認定証を紛失しても再発行はされず、また宅建アソシエイト資格に更新はありません。5年の有効期限が切れて再度認定証が欲しい場合は、また初任従業者研修過程から順に受講して修了する必要があります。

宅建アソシエイトとして経験を積みながら、5年以内に宅建合格を勝ち取りましょう!
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5点免除制度