契約の有効要件 重要度 ★★★★☆


前ページまでで、契約の「成立要件」である意思表示についてお話してきました。

しかし、契約が当事者同士の意思表示の合致により成立したとしても、
そこから直ちに契約として拘束力を持つわけではありません。

その契約が、法律の内容面から見て
「適切・妥当」でなければなりません。
また、意思表示をした者の意思自体に
「瑕疵・欠陥」があってもいけません。

これらに該当する場合、契約は「無効」、
またはいったん成立しても「取消し」の対象となります。


例えば民法90条により、
「公の秩序・善良の風俗に反する内容を含む契約は無効」とされています。
(略して、公序良俗違反は無効)

基本的に契約自由の原則が認められているといっても、
社会的妥当性に欠ける契約を認めるわけにもいきません。

例を挙げます。


犯罪を行うことを前提とした契約(殺人依頼、麻薬売買など)
ギャンブルによる借金を担保するための抵当権設定契約
妾(愛人)契約
人身売買契約、奴隷契約
ねずみ講(射幸心をあおっている)

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このように、
反社会性を帯びた契約は認められません
仮に成立してしまった場合でも無効ですので、すぐに取消すことができます。


また、そもそも大前提として、
「実現することが不可能」なことを内容とする契約も、もちろん無効となります。

この不可能には、
法的表現で「原始的不能」と「後発的不能」と呼ばれるものに分かれます。


ここで注意していただきたいのは、「後発的不能は無効ではない」ということです。
後発的不能とは、契約時には有効に契約が成立したが、後から不能となることです。

例えば、売買契約締結後に家屋が焼失してしまった場合などです。
この場合、契約は無効とはならず「債務不履行」や「危険負担」の問題となります。
詳しくは今後解説していきます。


原始的不能は簡単です。

初めから実現が不可能な場合です。
存在していない物の売買契約、生身で空を飛んだら100万円あげるという条件契約・・・
こういった契約は当然に無効となります。



ではここでは、契約自体の適法性、妥当性についてのみとさせていただきます。

次ページでは、意思表示をした者の意思自体に、
瑕疵・欠陥があった場合(心裡留保、虚偽表示、錯誤)のお話をいたします。


少し細かい知識に入っていきますので、
ここまでの基本的な民法の全体像を、しっかりと把握しておいてください!


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