自己契約・双方代理 重要度 ★★★☆☆


では、代理の続きをお送りします。


代理人は、
本人を代理して自分自身と契約をすること(自己契約)や、
契約当事者双方の代理人となって契約をすること(双方代理)ができません。

これらの契約がなされた場合、「無権代理」として無効(*)になります。
また、無権代理であっても、それがまるで正当な代理であるような外観があり、
相手方が誤信しても仕方ない場合などは、「表見代理」として有効になります。
この無権代理・表見代理はとても重要ですので、次回で詳しく解説いたします。

(*)正確には絶対的無効ではありません。無権代理で説明します。

では今回は、自己契約・双方代理の要件と、これらが有効となる場合を見ていきます。
少し細かい知識になりますが、近年の宅建試験の傾向からして、十分に出題も考えら
れますので、頭の片隅に入れておいてください。



■自己契約・双方代理の禁止


1.趣旨

事実上1人で契約することになり、正常な法律行為を望めないため



2.具体例

自己契約:買主Aと売主Bの売買契約において、BはAの代理人にもなった
双方代理:買主Aの代理人がC、売主Bの代理人もCで、CがAB間の売買契約を締結

自己契約のBは、二束三文の物をAに高額で買わせてしまう可能性があります。
双方代理のCは、AまたはBのどちらかに肩入れしてしまう可能性があります。

よって、利益保護のために、民法はこれらを原則として禁止しています。



3.例外

法律には例外があることを今までに何度も述べてきました。
よって、自己契約・双方代理も、すべて禁止というわけではありません。

では、例外を3つ挙げます。

弁済期の到来した債務の弁済
売買に基づく登記申請行為
本人の承諾がある場合

これらは、本人または当事者に不利益を及ぼすおそれがありません。
1つ目と3つ目は簡単ですね。そのままです。
2つ目は、簡単に言うと、司法書士の仕事です。
すでに決まっている契約を登記するだけなので、双方を代理することが可能です。

この3つを覚えておきましょう!



4.効力

無権代理行為となる。
しかし、追認によって有効な代理となります(詳しくは次ページで)。



[ 平成3年 問3 ]
 AがBから代理権を与えられて、契約を締結し、又は締結しようとする場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1.Aが未成年者である場合、Bは、親権者の同意がないことを理由として、Aが締結した契約を取り消すことができる。

2.AがCにだまされて契約を締結した場合においても、Bは、Cの詐欺を知っていたときは、その契約を取り消すことができない。

3.AがBからB所有地の売却の代理権を与えられている場合、Aは、Bの同意がなければ、自ら買主となることができない。

4.AがBからB所有建物の賃貸の代理権を与えられている場合、Aは、B及び賃借人Dの同意があれば、Dの代理人にもなることができる。



1 誤
:本人があえて制限行為能力者を代理人に選んだ以上、それを理由に取消しはできない
2 正:代理行為の瑕疵は原則として代理人を基準とするが、本人がその瑕疵を知っていたか、
     知らなかったことに過失がある場合には本人を基準とする
3 正:本人の同意があれば自己契約も有効となる
4 正:本人の同意があれば双方代理も有効となる



では次ページで、無権代理と表権代理をお送りいたします。
無権代理の追認など、とても重要ですが少し難しくなります。

覚悟しておいてください!



分かりやすい民法解説ページに戻る

幸せに宅建に合格する方法TOPページ


produced by 宅建合格!常識破りの宅建勉強法