絶対役立つ法令制限:事後届出制

法令上の制限で絶対に1点を確保すべき第4位:事後届出制。

事後届出制

今回は絶対役立つ法令制限「事後届出制」について見ていきます。

ここまで、ですね。前回までにお伝えした「農地法」「宅地造成等規制法」「開発許可制」、そして今回の「事後届出制」、この4つだけは宅建業法と同等に完璧を目指してください。

これで法令制限8問中4点を確保し、残りの4問は何も勉強しなくても確率的に1点は取れます・・が、そんな運任せにはいたしません。次回お伝えする「建築確認」はそこそこに力を入れ、他にも簡単なところがありますので要所要所を押さえていきます。これで法令制限の最低ノルマ5点は確実にゲットです!いえ、6~7点は取れるでしょう。

例によって前提知識は、実はかんたん法令制限の「事後届出制」で押さえておいてください。

では、法令制限で絶対に落とせない第4位、事後届出制を見ていきましょう!以下全て、「国土利用計画法第23条の事後届出に関して」という前置きが前提となります。


【問1】土地の賃借権設定契約の場合、賃料が発生していたとしても、権利金の授受があった場合に限り事後届出が必要となる。

【問2】

【問3】甲が銀行から購入資金を借り入れることができることを停止条件とした売買契約を締結した場合、甲は、銀行から購入資金を借り入れることができた日から起算して2週間以内に事後届出をしなければならない。

【問4】売買予約契約を締結した場合、予約契約締結日から起算して2週間以内に事後届出をすることを要するが、予約完結権行使の際に改めて事後届出は必要ない。

【問5】市街化区域内にある面積3,000㎡の土地を時効取得した場合、時効により取得した日から起算して2週間以内に事後届出をしなければならない。

【問6】

【問7】都市計画区域外にある12,000㎡の農地について売買契約がなされた場合、当該農地が農地法5条許可を受けていれば、買主は改めて事後届出をする必要はない。

【問8】一団の造成宅地を不特定多数の者に分譲する場合において、それぞれの分譲面積は事後届出の対象面積に達しないが、その合計面積が事後届出の対象面積に達する場合、事後届出が必要となる。

【問9】

【問10】

【問11】

【問12】都道府県知事は、事後届出に係る土地に関する権利移転について土地利用基本計画に適合せず、当該土地を含む周辺地域の適正かつ合理的な土地利用を図るため著しい支障があると認めたときは、当該届出をした者に対し、届出に係る土地の利用目的について必要な変更をすべきことを勧告しなければならない。

【問13】事後届出書には土地に関する権利の移転等の対価の額を記載しなければならないが、当該対価の額が土地に関する権利の相当な価額に照らし著しく適正を欠くときでも、そのことをもって勧告されることはない。

【問14】事後届出について勧告を受けた者が当該勧告に従わない場合、勧告に従わない旨および勧告内容を公表されることがあるが、罰則が適用されることはない。

【問15】ー



前回の開発許可は覚えることが多かっただけに、今回はすごく簡単に感じますね。法令上の制限でネックとなる数字がシンプルな3つしかなく、とても覚えやすいです。引っかけ問題も同じようなパターンばかりです。まずは地域と面積を確認し届出不要となるポイントがどこかにないかを探し、確実に1点をいただきましょう!



【1…○】事後届出とは、「一団の土地」について「対価を得て」「土地に関する権利を移転または設定」する契約を締結した際に必要となる都道府県知事への届出です。当該土地が所在する市町村の長を経由して都道府県知事に届け出ます。賃借権や地上権の設定は、権利金の授受がなければ事後届出は必要ありません(賃料や地代が発生するのは当然で、事後届出要否の判断基準となる「対価を得て」には該当しません)。

【2】

【3…×】事後届出は、契約締結日から起算して2週間以内に行います。停止条件が付いていても関係ありません。移転登記から2週間という引っかけにも注意です。

【4…○】売買予約契約を締結した場合には予約契約締結日から起算して2週間以内に事後届出をしなければなりませんが、予約完結権行使の際に再度の届出は必要ありませ。第三者が予約完結権そのものを取得する場合は、新たに届出が必要となりますので引っかけに注意してください。

【5…×】市街化区域内で2,000㎡以上なので事後届出となる必要なケースですが、時効取得は事後届出が必要となる契約に含まれません。「対価を得て」の取引に含まれないものとして、時効取得の他には相続信託(受託者から有償で信託財産を取得する場合は届出必要)を押さえておきましょう。

【6】

【7…×】都市計画区域外で1h(10,000㎡)以上なので事後届出が必要なケースであり、農地法5条許可があっても事後届出が必要となります(農地法3条許可を要する場合は事後届出が不要となりますので注意)。

事後届出が必要となる「一団の土地」まとめ
・市街化区域内:2,000㎡以上
・市街化区域以外の都市計画区域内:5,000㎡以上
・都市計画区域外:10,000㎡以上

一団の土地について対価を得ているのに事後届出が不要となる主な例外まとめ
・契約当事者の一方または双方が国または地方公共団体である場合(市も含む)
農地法3条許可を要する土地を取引する場合
民事調停法に基づく調停により土地売買等の契約が締結された場合

【8…×】事後届出を行うのは権利取得者(買主など)です。譲渡人が合計でどれだけの土地を譲渡したかは関係なく、権利取得者が取得したそれぞれの土地面積で判断します。権利取得者が複数回に分けて取得して面積要件に達した場合、権利取得者が複数人から分けて取得して面積要件に達した場合などは事後届出が必要となりますので注意。

【9】

【10】

【11】

【12…×】都道府県知事は、事後届出に係る土地に関する権利移転または設定後における土地の利用目的に従った土地利用が土地利用基本計画その他の土地利用に関する計画(国土交通省令で定められ公表されているものに限る)に適合せず、当該土地を含む周辺地域の適正かつ合理的な土地利用を図るため著しい支障があると認めたとき(=対価の額などは審査対象ではない)は、当該届出をした者に対し、届出に係る土地の利用目的について必要な変更をすべきことを勧告することができます。長々と書きましたが、勧告は義務ではなく任意ということです。かなり細かくなりますが、この勧告は届出から3週間以内に行われ、勧告ができない合理的理由がある場合は3週間の範囲内で勧告ができる期間を延長できる、ということは難問対策として覚えておいて損はないかもしれません。

【13…○】解答12の解説にあるさり気ない( )内の通り、対価の額について勧告されることはありません。勧告は「利用目的のみ」について行われます。こういったさり気ない補足が実はすごく重要なので、意識して読むようにしてみてください。

【14…○】事後届出について勧告を受けた者が当該勧告に従わない場合、勧告に従わない旨および勧告内容を公表されることがありますが、罰則が適用されることはありませ。事後届出において罰則が適用されるのは「事後届出を怠ったとき」だけです(6月以下の懲役または100万円以下の罰金)。また、都道府県知事は利用目的について「助言」することもできますが、助言に従わなかった場合に公表されることはありません

【15】


⇒ 絶対役立つ法令制限 建築確認