権利関係 委任(難問対策版) 重要度 ★★★☆☆


今回は『委任』についてお話いたします。

ほとんど出題されませんが、覚えることは少なくシンプルですごく簡単です。出題されたらラッキーですのでさくさくっとマスターしておきましょう。似たような労務供給契約である請負や、すごく出題可能性は低いですが寄託との違いに注目しておきましょう。

今回は覚えることが少ないので合格に必要な勉強テクニックも紹介しておきます。では、出題ポイントを順番に見ていきます!

委任とは

「他人に、契約などの法律行為をすることを頼むこと」です。自分では処理できないことを、信頼のおける人にやってもらうわけです。頼む人を「委任者」頼まれる人を「受任者」といいます。委任契約は、無償が原則です(特約で有償も可)。委任状は対外的証明に過ぎず、委任状の交付は委任契約の成立要件ではありません

委任契約の原則=諾成・無償・片務契約
特約による有償委任=諾成・有償・双務契約

諾成契約=当事者の合意だけで成立する契約 ⇔ 要物契約
片務契約=当事者の一方だけが債務を負担する契約 ⇔ 双務契約

委任者の権利義務

特約がない限り、受任者に報酬を支払う必要はありません。報酬を支払う場合、支払い時期は委任終了後です。委任事務をするに必要な費用を受任者に支払う義務があり、前払請求があればそのときに支払う必要あります。

報酬は後払い事務費用は請求されたら先払いです。ここ要注意です。

受任者の権利義務

有償の場合だけでなく、無償の場合も、善良なる管理者の注意(善管注意義務)をもって、委任された事務を処理しなければなりません。無償寄託は善管注意義務の必要はないという点と比較しておいてください。受任者が事務処理にあたり過失なく損害を被った場合、委任者に対して賠償請求をすることができます。この場合、委任者は自己に過失がなくても損害賠償責任を負います

特約がない限り、委任者に報酬を請求することはできません。有償委任において、受任者の責任ではなく履行の中途で委任契約が終了したときは、受任者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができます。仕事の完成を目的とする請負と異なることを比較しておいてください。

委任事務をするに必要な費用を、あらかじめ委任者に請求することができ、立て替えた場合は支払日以後の利息の償還も請求することができます。委任者の許諾ある場合またはやむを得ない事由がある場合は、復委任も認められます(=当然には不可 ※1)。委任者の請求があった場合は、事務処理の経過を報告しなければなりません(委任終了後にも報告)。

委任の終了

各当事者が、いつでも解除することができます。注文者のみの請負と比較しておいてください。解除理由を告げる必要もありません。当事者の一方が、相手方の不利な時期に解除したときは、その損害を賠償しなければなりません(=不利な時期でも解除できる ※2)。特約により解除権を放棄することも可能です。

他に委任契約の終了原因として、委任者の死亡や破産、受任者の死亡や破産、後見開始があります。「委任者の後見開始」では終了しないので注意してください。

他の労務供給契約との根本的な違い

請負との違い:請負のように仕事の完成を目的としない
寄託との違い:寄託のように事務内容が物の保管に限定されない

一般的に言う労働とは異なり、従属的関係はなく、受任者が自らの裁量で事務を処理するということが雇用との大きな違いです。

※1 『委任者の許諾ある場合またはやむを得ない事由がある場合は、復委任も認められる』 宅建試験本番ではこのまま出題されることが多く、このまま出題されたら当サイトをご覧の皆さんは正解できるでしょう。しかし、出題者はどうにか間違えさせようと意地悪な問題を出してきます。

『受任者はいつでも自由に復委任をすることができる』 = もちろん誤りです。しかし、このように裏返して聞かれたことで多くの方が「聞いたことない」「分からない」となってしまいます。正しい一文の裏を読む練習をしてください。いきなりは難しいですが、基礎ができたら裏まで読めるように練習しておきましょう。「○○ってことは××」逆パターンを考える癖をつけておけば本試験問題に対応でき、勉強する際にも印象に残り忘れにくくなるかと思います。

「この文章からどういった問題を作成できるのか」ここまで考えることができるようになれば合格はいただいたも同然です!
※2からも数パターンの問題が作れそうですね。

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