宅建業法 報酬に関する規制 Part.1 重要度 ★★★★★


平成29年の宅建試験受験生は消費税率8%で覚えておいてください。過去問につきましても、8%(免税事業者は3.2%)で計算する練習をしてください。

宅建業者は、それぞれが自由に報酬額を定めることはできません。宅建業者が受領できる
報酬限度額というものが定められており、宅建業者はその限度額を超えて報酬を受け取ることができないのです。不動産知識の少ない一般消費者がだまされないよう保護するためですね。

また、宅建業者は、報酬とは別に取引に要した経費を依頼者に請求することもできません。報酬の中から必要経費を賄います。しかしここで1つ例外を覚えておいてください。特別な広告費など、
依頼者からの依頼があった場合は、その経費は報酬とは別に受領することができます。
では、宅建業者が受け取ることができる報酬額について見ていきましょう。

売買・交換の媒介・代理と、
貸借の媒介・代理では計算方法が異なります。

また、1つの宅建業者しか登場しないパターンと複数の宅建業者が関わる場合にも注意が必要です。ここでは宅建業者が1人しか登場しない基本の形をお話いたします。まずはこちらをしっかりとマスターしておいてください。

そして次ページで複数業者が関与する場合、および例題を使ってより完璧にマスターしていただきます。計算問題は慣れが必要ですからね。では、いきます!!

売買・交換の媒介・代理の報酬

宅建業者が課税事業者である場合と免税事業者である場合で計算式が異なります。

宅建業者が課税事業者(消費税を納める義務がある事業者)である場合

取引対象の代金・価額が
200万円以下⇒代金・価額の5%×1.08
取引対象の代金・価額が
200万円超400万円以下⇒代金・価額の(4%+2万円)×1.08
取引対象の代金・価額が
400万円超⇒代金・価額の(3%+6万円)×1.08

宅建業者が免税事業者(消費税を納める義務が免除される事業者)である場合

取引対象の代金・価額が
200万円以下⇒代金・価額の5%×1.032
取引対象の代金・価額が
200万円超400万円以下⇒代金・価額の(4%+2万円)×1.032
取引対象の代金・価額が
400万円超⇒代金・価額の(3%+6万円)×1.032

これが基本となります。最後に消費税1.08をかけるか1.032をかけるかの違いだけです。本試験では「消費税の課税業者である…」「消費税の免税業者である…」と出題されますので、凡ミスに注意してください。

計算式はもちろん、ここでは以下の3つも覚えておいてください。

1.買主と売主の双方から売買の媒介依頼を受けた場合、宅建業者が受領できる報酬の額は、それぞれ
一方から受領できる報酬額の限度内で、その合計額以内(交換も同じ)
2.交換の媒介では、宅地や建物に価額差がある場合、いずれか
高い方を基準とする
3.売買または交換の代理の場合、依頼者から受領できる報酬額は上記計算式の
2倍以内

より細かい練習は次回にするといたしまして、軽く練習しておきましょう。

『 5,000万円の土地の売買を媒介した場合 』

課税事業者:(5,000万円×3%+6万円)×1.08=168万4,800円
免税事業者:(5,000万円×3%+6万円)×1.032=160万9,920円

買主と売主の双方から依頼を受けていた場合は、それぞれ一方から168万4,800円(or160万9,920円)を超えない範囲で、合計336万9,600円(or321万9,840円)まで報酬を受領できます。

『 3,000万円の土地と2,000万円の土地の交換を媒介した場合 』

価額差がある場合は高い方を基準とするので、3,000万円が基準となります。

課税事業者:(3,000万円×3%+6万円)×1.08=103万6,800円
免税事業者:(3,000万円×3%+6万円)×1.032=99万0,720円

売買の媒介と同じく当事者双方から交換の依頼を受けた場合は、課税事業者であれば一方から103万6,800円を超えない範囲内で合計207万3,600円まで、免税事業者であれば一方から99万0,720円を超えない範囲内で合計198万1,440円まで報酬を受領できます。

『 5,000万円の土地の売買(交換)を代理した場合 』

課税事業者:(5,000万円×3%+6万円)×1.08×2=336万9,600円
免税事業者:(5,000万円×3%+6万円)×1.032×2=321万9,840円

基本的に「双方代理」は禁止されています。よって依頼者の一方から通常の倍額の報酬を受領することができます。しかし本人の同意があれば双方代理も許されます。その場合は双方から報酬を受領できますが、合計額が一方からのみ依頼を受けた場合の限度額を超えてはなりません。

また、一方からは代理を、他方からは媒介を依頼された場合はどうなるのか?この場合、宅建業者は双方から報酬を受領することになりますが、その合計額は
一方のみから代理の依頼を受けた場合の限度額を超えてはなりません。また媒介の依頼をした者からは、媒介の依頼者の一方から受け取ることのできる限度額も超えてはなりません。少し細かい知識ですが、一応頭の片隅に入れておいてください。

貸借の媒介・代理の報酬

・貸借の媒介の依頼者双方から受領できる報酬限度額

課税事業者:
合計して借賃の1ヶ月分の1.08倍以内

『賃貸借の媒介を受け、1ヶ月の賃料10万円の賃貸借契約を成立させた場合』⇒一方または双方より、10万8,000円を超えない限り
どのような割合で受領してもよい。ちなみに免税事業者の場合は1.032倍以内となります。

ここで注意していただきたいのは、貸借の対象が「居住用建物」である場合です。この場合、依頼者の一方から受領できる報酬額は、
依頼者の承諾を得ている場合を除いて借賃の1ヶ月分の半分(=消費税を入れ0.54倍以内)という制限があります。つまり上記の賃貸借が居住用建物だった場合、依頼者の一方から受領できる報酬額は5万4,000円以内で、合計して10万8,000円以内となります(貸主が承諾していれば、貸主8万6,400円、借主2万1,600円ということも可能です)。ちなみに免税事業者の場合は0.516倍以内となりますね。

・貸借の代理の依頼者から受領できる報酬限度額

課税事業者:
借賃の1ヶ月分の1.08倍以内
免税事業者:借賃の1ヶ月分の1.032倍以内

双方代理の場合でも、双方から受け取る報酬の合計額が借賃の1.08倍(or1.032倍)を超えてはなりません。

・権利金の授受がある場合

居住用建物以外の貸借で権利金等の授受がある場合、
権利金等の額を売買代金とみなして報酬計算をし、その額と1ヶ月分の1.08倍の借賃とを比較して高い方が報酬限度額となります。権利金等とは、権利設定の対価として支払われる金銭で返還されないものをいいます。

『賃貸借の媒介を受け、1ヶ月の賃料100万円、権利金2,000万円の賃貸借契約を成立させた場合』⇒142万5,600円(※)と108万円を比較⇒142万5,600円が報酬限度額

 (※)(2,000万円×3%+6万円)×1.08=71万2,800円
    これを依頼者双方から受領でき、合計142万5,600円

では次ページでより細かい報酬計算と練習問題をお送りいたします。まずはこの基本を確実にマスターしておいてください!

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