保証債務  重要度 ★★★★★


債務者が債務を履行しない場合に、他の者(保証人)がその債務を履行する責任を負うことを
保証といい、保証人の負う債務のことを保証債務といいます。


Aさんがマイホームを購入するため、Bさんに1,000万円の借金を申し込みました。
Bさんは、Aさんがきちんとお金を返してくれるか心配です。

そこでBさんはどうするか?

Aさんが土地などの財産を持っていれば、その土地を抵当にとれば話は早いです。
しかしAさんにそんな財産がない場合・・・そこで保証の登場です。
当事者以外の第三者Cさんに、Aさんの保証をしてもらうのです。

Aさんが債務を履行しない(お金を返さない)場合に、CさんがAさんの代わりに債務を履行する
義務を負います。

この場合のAさんを「
主たる債務者」、Cさんを「保証人」と呼びます。

では、重要事項を順番に見ていきます。



■保証債務の成立

保証債務は、債権者と保証人との間の保証契約によって成立します。

つまり保証契約の当事者は、債権者と保証人ですので注意してください。

主たる債務者は関係ありません。
主たる債務者の意思に反しても、保証契約を結ぶことができます

また、法改正により保証契約は
書面で行うことになりましたのでご注意ください。



■保証人となるための資格

保証人となる資格に制限はありません。
原則として誰でも保証人となることができます。

しかし例外があります(注:
債権者が自ら保証人を指名した場合は適用されません)。

主たる債務者が法律上、または契約で「保証人を立てる義務がある場合」は、

1.保証人は、
行為能力者でなければならない
2.保証人は、
弁済の資力がなければならない

この二つが要求されます。

保証人を立てる義務がある場合とは、委任契約において、受任者が費用等の償還請求権を行使す
るときなどがありますが、細かいので覚える必要はないでしょう。「保証人を立てる義務がある場合」
に上記の条件が必要ということだけ覚えておいてください。


保証契約締結後に1の条件が欠けた場合(後見開始など)でも、保証契約に影響はありません。
保証契約締結時に行為能力者であればよいのです。

これに対し、保証契約締結後に2の条件が欠けた場合、債権者は、
保証人を弁済の資力がある者に代えてください」と主たる債務者に請求することができます。
これは大事ですので覚えておいてください。



■保証債務の性質

1.附従性

保証債務は、あくまでも主たる債務を担保することを目的として存在するため、
主たる債務に付き従う性質を有します。

主たる債務が不成立・無効であれば保証債務も成立せず、主たる債務が有効に成立した後でも、
主たる債務が取り消されたときなどは、保証債務もそれに伴い消滅します。

このように、主たる債務と運命を共にする保証債務の性質を「附従性」といいます。

保証債務で最も宅建試験に出題される箇所かもしれません。

以下、附従性の重要点をまとめました。


・主たる債務が成立していなければ、
保証債務も成立しない

・主たる債務が消滅すると、それに伴って
保証債務も消滅する

・主たる債務の内容が軽くなると、それに伴って
保証債務の内容も軽くなる

・主たる債務の内容が重くなっても、
保証債務の内容は重くならない

・保証債務の内容は、主たる債務の内容よりも重いものであってはならない!
 (重い場合は、
主たる債務の内容と同一の限度に縮減される

・主たる債務の消滅時効が中断されると、
保証債務の消滅時効も遅れる

・主たる債務が時効で消滅すると、保証人はこれを援用して保証債務の
消滅を主張する
 ことができる!

・主たる債務者が債権者に対し債権を有する場合、保証人はこの債権によって
 
相殺を主張することができる!


[ 平成6年 問9 ]
 Aは、BのCに対する 1,000万円の債務について、保証人となる契約を、Cと締結した。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。

1.CがAを保証人として指名したため、Aが保証人となった場合、Aが破産しても、Cは、Bに対して保証人の変更を求めることができない。

2.BのCに対する債務が条件不成就のため成立しなかった場合、Aは、Cに対して保証債務を負わない。

3.AC間の保証契約締結後、BC間の合意で債務が増額された場合、Aは、その増額部分についても、保証債務を負う。

4.CがAに対して直接 1,000万円の支払いを求めて来ても、BがCに 600万円の債権を有しているときは、Aは、Bの債権による相殺を主張して、 400万円を支払えばよい。


1 正
:債権者が保証人を指名した場合は、保証人が弁済の資力を失っても新しい保証人を
     立てるよう請求できない
2 正:主たる債務が成立しなければ、保証債務も成立しない
3 誤:主たる債務が増額されても、保証人は元の主たる債務の限度額内で保証すればよい
4 正:保証人も、主たる債務者が有する反対債権により相殺を主張することができる



2.随伴性

主たる債務が移転すると、それに伴って保証債務も「移転」します。
これを保証債務の「随伴性」といいます。

たとえば、主たる債務に対応する債権が譲渡された場合、その譲渡の効力は保証債務に
も及び、保証人は新しい譲受人に対して保証債務を負うことになります。


3.補充性

保証債務の存在目的は、主たる債務の履行にあります。
債権者に対する関係では、主たる債務者が1次的、保証債務は2次的なものです。

つまり保証債務は、主たる債務が支払われない場合に備えた補充的な手段であるため、
保証人には次の2つの権利が認められます。


催告の抗弁権:債権者が主たる債務者に請求しないで、いきなり保証人に請求してきた場合、
保証人は「まずは主たる債務者に催告してください」と主張し、請求を拒むことができます。

検索の抗弁権:債権者が先に主たる債務者に催告をした後でも、保証人は、主たる債務者に
「弁済の資力があること」「執行が容易なこと」を証明して、まず主たる債務者の財産について
執行するよう主張することができます。


 <ちょっと重要注意点>

・主たる債務者が破産宣告を受けたり、行方不明の場合は、催告の抗弁権を行使するこ
とができない!

・債権者が、主たる債務者と保証人の同時に請求した場合は、催告の抗弁権を行使する
ことができない!

・弁済の資力があることとは、必ずしも債務の全額を完済できる資力があることを意味する
ものではない!(とりあえず少しでも返済できればよい)



では次ページで、保証人の責任がもっと重くなる「連帯保証」をお送りいたします。


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