弁済業務保証金の宅建過去問

宅建過去問:「弁済業務保証金」の重要過去問を見ていきます。弁済業務保証金制度とは、保証協会の社員である宅建業者の取引相手方に対して弁済をする、「宅建業者の負担軽減」と「消費者保護」のための制度です。営業保証金としっかり区別し、確実に押さえておいてください。かんたん宅建業法の比較表」はとても役に立ちます。

弁済業務保証金の宅建過去問

次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはどれか。(1989年の過去問 問-45)

【問】宅建業保証協会に加入しようとする宅建業者が同保証協会に納付すべき弁済業務保証金分担金の額は、主たる事務所につき60万円、その他の事務所につき事務所ごとに30万円の割合による金額の合計額である。

宅建業者が保証協会に加入する場合の弁済業務保証金分担金の額は、主たる事務所60万円、その他の事務所30万円です(保証協会に納付するのであり、供託所に供託するわけではないので注意)。よって正しい肢です。

【問】宅建業保証協会の社員と宅建業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、当該社員が宅建業保証協会に弁済業務保証金分担金として納付している額の範囲内で還付を受ける権利を有する。

宅建業者が保証協会の社員である場合でも、その宅建業者が社員でない場合に供託すべき営業保証金に相当する金額の還付を受けることができます。例えば本店と支店1の場合、60+30=90万円ではなく、1,000+500=1,500万円までの還付を受けることができます。よって誤りとなります。

【問】宅建業保証協会より還付充当金を納付すべき通知を受けた社員又は社員であった者は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該宅建業保証協会に納付しなければならない。

弁済業務保証金の還付がなされた場合、保証協会から宅建業者へ還付充当金を納付するよう通知がなされます。この通知を受けた宅建業者は、通知から2週間以内にその額を保証協会に納付しなければなりません(供託するという引っかけに注意)。よって正しい肢となります。

【問】宅建業者は、宅建業保証協会の社員の地位を失ったときは、当該地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託しなければならない。

保証協会社員の地位を失った場合、地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託しなければなりません。これを怠った宅建業者は、業務停止処分を受けることがあります。よって正しい肢となります。


宅建業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)及び弁済業務保証金分担金(以下この問において「分担金」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(1990年の過去問 問-50)

【問】120万円の分担金を納付して保証協会の社員となった者が、新たに一事務所を設置したときは、その日から2週間以内に、60万円の分担金を当該保証協会に納付しなければならない。

保証協会の社員が新たに事務所を設置した場合、納付すべき分担金の額は、事務所ごとに30万円です。よって誤りです。

【問】390万円の分担金を納付して保証協会の社員となった者との宅地建物の取引に関し債権を有する者は、5,500万円を限度として、当該保証協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。

分担金390万円から、本店1支店11(60+30×11)ということが分かります。よって、1,000+500×11=6,500万円まで弁済を受ける権利を有し、誤りとなります。


宅建業者Aが宅建業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に加入した場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(2001年の過去問 問-40)

【問】Aについて弁済業務保証金が還付された場合で、Aが、その還付された分に充当されるべき金額を、保証証協会の通知を受けた日から2週問以内に保証協会に納付しないときは、保証協会の社員としての地位を失う。

還付後の通知から当該期間内に還付充当金を納付しない場合、宅建業者は、保証協会の社員たる地位を失います(免許の効力を失うというひっかけに注意)。よって正しい肢となります。

【問】Aは、保証協会に加入したときは、その加入の日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない。

保証協会に加入するには、その加入しようとする日までに分担金を当該保証協会に納付しなければなりません。加入日から2週間以内とする本肢は誤りです。

【問】弁済業務保証金について弁済を受けることのできる権利を有する者には、Aがチラシの制作を依頼し、代金が未払である広告代理店も含まれる。

営業保証金と同様、弁済業務保証金から弁済を受けられる者は「宅建業に関し取引をした者」(宅建業者を除く)に限られます。広告代理店はこれに含まれず、誤りです。

【問】弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する者には、Aが保証協会の社員となる前にAと宅地建物の取引をした者は含まれない。

保証協会の社員となる前に宅建業に関し取引した者も、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有します。よって誤りとなります。


宅建業者A (事務所数1) が、宅建業保証協会(以下この問において 「保証協会」 という。)に加入しようとし、又は加入した場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(1996年の過去問 問-44)

【問】Aは、保証協会に加入するため弁済業務保証金分担金を納付する場合、国債証券、地方債証券その他一定の有価証券をもってこれに充てることができ、国債証券を充てるときは、その額面金額は60万円である。

営業保証金と違い、弁済業務保証金分担金は現金で納付しなければなりません。よって誤りとなります。

【問】Aが保証協会の社員の地位を失い、弁済業務保証金分担金の返還を受けようとする場合、Aは、一定期間以内に保証協会の認証を受けるため申し出るべき旨の公告をしなければならない。

宅建業者が保証協会社員の地位を失い、分担金の返還を受けようとする場合は保証協会の認証が必要ですが、保証協会の認証を受けるため申し出る旨の公告は、宅建業者ではなく保証協会が行います。よって誤りとなります。


宅建業者Aが宅建業保証協会 (以下この問において「保証協会」という。)に加入している場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(2000年の過去問 問-45)

【問】Aは、宅建業を行うに当たり保証協会へ加入することが義務付けられているが、一の保証協会の社員となった後に、重ねて他の保証協会の社員となることはできない。

宅建業者は宅建業を行うにあたり、営業保証金を供託するか保証協会に加入するか任意に選べます。よって誤りとなります。重ねて他の保証協会の社員になれないとする後半は正しい記述です。

【問】Aが、保証協会から特別弁済業務保証金分担金を納付すべき旨の通知を受けた場合で、その通知を受けた日から2週間以内に、通知された額の特別弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しないとき、Aは、社員の地位を失う。

細かい知識ですが、宅建業者は、保証協会から「特別弁済業務保証金分担金」を納付すべき旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から1ヶ月以内にその額を納付しなければなりません。2週間とする本肢は誤りです。特別弁済業務保証金分担金の詳しい意味は置いておきましょう。


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